HP開設5周年にあたって

    −行き先も知らぬアブラハムの心境で−



    ●花粉症のこの時期、抗ヒスタミン剤の副作用で猛烈に体がだるく、絶えがたい眠気を催す毎日の中で、1999年、何とはなしに開設した本HPであるが、いつのまにか5周年になってしまった−というのが実感である。この間、小生自身の境遇も大きく変わり、正直言って、こういった展開はまったく予想だにしていなかったというところが本音である。このHPがきっかけとなり、多くの人たちと知り合いになれ、また原稿の執筆の依頼や公演の依頼なども来るようになったし、本やビデオまで出すことになり、教会を開いてしまったり、さらにはバイブル・カレッジまで始めるし・・・、やれやれ、これはいったいどうしたことか・・・、これが本音のところである。

    ●以前から「あなたの時は用意されている」、「あなたにはすべてが測り与えられている」、「あなたの行くところにはどこにでも油がしたたる」などの声を聞いていた。が、何のことか分からなかったし、そもそも小生は怠け者であることは自認するところであり、人生の設計においても、ややこしいことや苦労することは最低限に済まし、家族と楽しくキャンプや温泉めぐりをしつつ、マイペースで生きる計画を立てており、その究極に老後の計画も立て、お墓までもすべて調達して、自分の人生の締めくくりも考えていた、・・・ところがある事を契機に現在の境遇になってしまった。

    ●ニッポンキリスト教にはある意味で失望と言うよりは絶望していたので、関わり合いになることは回避してきたし、聖書の学びも他人のためというよりは、ひたすら自分のために積み上げてきたことであった。だから「伝道・牧会こそがわが命」として一身を投げ打って精進しているセンセイ方は敬して遠ざけたいところが本音であるし、ニッポンキリスト教独得の「特攻隊精神」や「演歌精神」に陥ることだけは避けたいと今でも思っている。要するに楽しいことは打ち込むし、楽しくないことはやりたくない、これが私の行動哲学であり、信徒を増やして千人教会だ、一万人教会を建てるつもりもなければ、苦節何十年の格闘の中で教会堂を3つも4つも献堂したセンセイのお話などは伺うだけで疲れを覚えてしまう。(要するにクサイ・・・)

      ある大教会のセンセイは「自分はたった75万人にしか伝道ができなかったことが残念だ」とのたまっているそうですが、こういったセリフはどうも臭いがきつくて・・・。

    ●ところが5人ほどの兄弟姉妹とまったくの予期せぬ形で始まったキングダム・フェロシップはまもなく2年になろうとしているが、何よりも私自身がキリストをエンジョイしている。集まる人々もニッポンキリスト教の枠組みから解放されてきて、お互いにエンジョイし合ううちに、常時70名ほどの参加者となり、現在のチャペルももう限界に近づいている。なにしろ70平米弱に70人であるから、ひとりあたり1平米ないわけで、実際のところ床が抜けないか、酸欠にならないか、いつも心配しつつセレブレーションを行なっている始末である。ちなみに主はすでに私に大きなチャペルを下さると約束して下さっている。

    ●私自身には自前のいわゆる目標やビジョンなるものは何もないし、キングダム・フェロシップがこれからどのように導かれるか、まったく分からない。ただ不思議なことにここで主が何かをなして下さっていることは明らかであるし、主の臨在と油塗りもますます豊かになっており、メンバーの霊的な視界も開かれて、真理にあってキリストをエンジョイするコツを開かれた人々が増えてきている。5周年を迎えた今日も、いぜんとして行く先も知らずに出て行ったアブラハムの心境である。これからも本HPをよろしくご愛顧いただければ感謝である。2003.03.14

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