第1回 最初の一歩
1.はじめに
この紙上にいきなり私が登場しても「あんた誰れ」の感じでしょうし、私をご存知ない方が1億数千万人位いらっしゃる。そこで先ず、自己紹介から始めてみます。
私は、1949年生まれの自称気配り抜群の光青年で、現在、富士銀行に勤務中。主な仕事は、傷ついたよれよれの企業に対して愛をもって接し、財務面の手術をしたり、その後のリハビリのサポートをすることです。
埼玉県白岡町の風香る青い空の下で、最愛の妻涼子と15才の長女、そしてマルチーズのシルクといっしょに平安な田舎暮らし。
趣味は、何時でも何処でも聖書。長所は、神様に真っ直ぐ向かい常に笑顔で明るく歩む純真さを持っていることで、短所は、団塊の世代のせいか競争心を煽られると我を忘れてしまうことと自尊心が強過ぎることです。
私は自分の力を信じて疑わなかった、勤続13年目のある日、同僚から手渡されて初めて聖書に接しました。その10年後、45才で「イエス・キリストの十字架の死と復活を信じなければ、自分の罪が赦されて救われないのだ。」と、はっきりわかり、イエスさまの虜になった遅咲きの桜です。
それまでは、夜な夜な自己接待に励み、家に帰るのは疲れ果てて眠りに着くときだけ。仕事人間と妻に揶揄されていた情けないバンカー(馬鹿)。それでも、これまで、私の勝手気ままで自己中心的な青春時代を寛容さで見守ってくれた両親と、全く家庭を顧みない仕事中毒人間だった私を陰で忍耐して支えてくれた妻の涼子には、心から感謝しています。
そして、母の胎内にいるときからずっと私を愛し、見守り続けてくださった素晴らしい神さま、このお方(イエス・キリスト)を皆さんにも是非知っていただきたいと思うのです。
現在の私は、ワーカーホリック人間でいっぱいの職場を中心に、同僚やお客様や職場の周辺に働くビジネスマンへの24時間伝道に全力投球中です。合い言葉は、一番神さま、二番家庭、三番仕事。職場近くのホテルで朝・昼・夕食会を開催し、職場でも、昼食時間を利用して、聖書研究や祈りの集いを開き、自宅ではビジネスマンを対象とした「ぶどうパンの会」を妻の協力を得て行っています。
2.あなたは、どこにいるのか
バブル経済の崩壊後、この世の富を追い求めていたお金の猛者の姿は何処へ消えたのでしょう。果たしてこんなことで良かったのか、何か大切なものを忘れているのではないか、今何が残ったのか、と皆が考えています。
1億2千万人自信喪失の時代。私たちは、今どこにいるのか、何処へ行くのか、私たちのオアシスはどこにあるのでしょうか。
旧約聖書創世記3章9節に、神様の人類に対する最初の問いかけが記されています。「あなたは、どこにいるのか。」です。
倒産と失業率の急増、そしてポストネックとリストラへの不安が渦巻く中で、従来自分たちが信じてきた会社への基本的信頼を揺るがされているビジネスマンたちが、今、何を悩み、何を考え、何を苦しみ、どうしているのか、そして、どこにいるのか、について、これから一年間、私のあかしを中心にご報告させていただきます。
3.志を立てて一歩を踏み出す
今回の原稿をどうまとめていけば良いか、祈り求めていたときのことです。妻の涼子が「お役に立てて良かったわね。あなたのサラリーマン生活も残り少なくなったのだから、ビジネスマンとして今のうちに。」と、私を励ましてくれました。
1972年に大学を卒業し富士銀行に入行したのですから勤続27年生。自分ではいつまでも青年将校のつもりでしたが、老兵去りゆくのみ。満開の時期を豊かに過し、花びらを風の中で散らす染井吉野。感謝、感謝のサラリーマンなのです。
神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださるのです。すべてのことを、つぶやかず、疑わずに行ないなさい(ピリピ2章13、14節)