第12回 新しいミレニアムのキーワード


1. 永久に変わらないもの

読売巨人軍の監督の長嶋茂雄が、プロ野球での現役生活の最後に語った「読売巨人軍は不滅です。」という名文句をご存知ですか。私にとって、青春時代の英雄であった長嶋が体力の限界を感じて現役を去るときに自分の所属するチームは不滅だと語ったこの言葉は、高度成長を続け先行き何の不安もないように感じられた日本経済の中にあっては、極めて自然に私の心の中に入ってきました。

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと、もてはやされ絶好調の状況を続けたこの日本で、バブル経済が崩壊し、政治、経済、社会、教育等随所に現れている歪みが明らかになりました。従来、盤石だと考えられていたものでも、果たして本当に大丈夫なのか、不滅なものなどあるのか、と不安に駆られる状況になったのです。

聖書には永久なものについて、次のようにはっきり書かれてあります。私たちの不安を取り除いてくれる秘訣はここにあります。

イエス・キリストは、きのうもきょうも、いつまでも、同じです(ヘブル人への手紙第13章8節)


2. 巨大性を良しとする風潮

効率性・合理性は1900年代の経済発展のキーワードでした。また、1997年以降からグローバル・スタンダードという、和製英語がよく使われ出しました。この言葉は、バブル崩壊後の過度な日本経済悲観論が横行する中で、あらゆる面で世界経済のリード役を果たす米国型の経済システムへの転換を促す場合などに、特に好んで用いられています。

これにも問題があります。例えば、マイクロソフト社のウィンドウズは、正式の取り決めもないのに市場占有率の高さゆえに事実上の標準(デファクト・スタンダード)になっています。パソコンとソフトをセット販売しようと目論むなど独占禁止法違反が発生しかねない状況になっています。マイクロソフトがグローバル・スタンダードと主張されかねない勢いです。

こんな風に、グローバル・スタンダードの名目で、無条件な追従や模倣あるいは強制が行われるとしたら、ただ単に巨大なものが支配する社会になりかねません。ヒットラーやスターリンや毛沢東をリーダーとした社会の悲劇を思い起こさせます。ファシズムはもとより民主主義の名のもとでも、一人の人間や、一社、一国に盲従していく危険は、極めて大きいと警告せざるを得ないのです。

あの人たちから手を引き、放っておきなさい。もし、その計画や行動が人から出たものならば、自滅してしまうでしょう。しかし、もし神から出たものならば、あなたがたには彼らを滅ぼすことはできないでしょう。もしかすれば、あなたがたは神に敵対する者になってしまいます(使徒の働き第5章38、39節)


3.新しいミレニアムに平安あれ

私は、ビジネスマンの一人として、新しいミレニアムのキーワードを「GS」と選定しました。「GS」とは、グローバル・スタンダードではなく、ゴッド・スタンダードのことです。

ビジネス社会において、21世紀に向けた対策として、企業の「統合・合併」といった手法が注目されていますが、大切なことは、その目的は何かということです。

新しい時代に向けて、私たちがこれから行うすべての施策や新しく構築するシステムが、神様の目に正しいか、神様から出たものなのかをきちんと点検し、それに則して経営判断していくことが、大切だということです。

人に従うより、神に従うべきです(新約聖書:使徒の働き第5章29節)

「ミレニアム国会」といった活字を目にしますが、ミレニアムとは、イエス・キリストの統治する千年という意味です。2000年の日本が、いや世界が、まさに「GS」に従った歩みができ、真の平安がもたらされますようにお祈りします。


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