父親学入門(2)―喜びをもって家族に仕えよ―
ΙΧΘΨΣ (さかな)
はじめに
前回は父親学入門 (1)として、子供は親を訓練する教師であること、赤ちゃんをお風呂に入れるのは父親学の第一課であり、喜びであること、都会育ちの子供達のために『ふるさと』を造った話を書きました。
今回は『家族に仕える父親像』について書いてみます。子供達が小さい時、問題が次々と起こるものです。『育児ノイローゼ』も経験し、学校でいじめにも会いました。『入試地獄』も十分に楽しみました。これらは全ての家庭に起こる事柄で、誰も避けては通れません。だから折角のチャンスを逃げないで、精一杯楽しみましょう。
子供の心は決して素直で純真ではありません。彼らも間違いなく罪人です。彼らをキリストに導く責任があります。いくら優秀な大学を卒業し、立派な職業に就こうともイエス様を知らない人は救われてはおりません。極端な学歴偏重社会である日本にあって私達はこの点を間違えてはなりません。私達の最初の仕事は彼らが救われるように祈り、正しい信仰に導く事です。
@ 育児日記のすすめ
海に注がれる時には、滔々(とうとう)と流れる大河も、その源は一条の湧き水に過ぎません。12年間、20冊を越える『我が家の育児日記』も、その最初はたった二行のメモに過ぎませんでした。誕生二週間目、その日母乳を飲ませた時間と人工乳(ミルク)の追加量を私が記録しました。以来、育児日記は私の担当です。
『子供は是非母乳で育てたい』と話し合い、祈りました。その翌日も同じように母乳を飲ませた時間とミルクの量を記録しました。増え続けていたミルクの量がやがて減少に転じ、遂にはゼロになりました。
子育てに不安一杯だった妻も、一日を振り返る余裕が与えられ、落ち着きが出て来ました。ものごとは最初が肝腎です。最初の子供の時、母乳がしっかり出るまで頑張ることです。夫婦でこころを合わせて祈れば、最初は不可能と見える事でも成就しているものです。
『簡にして要を得ること』。これは全ての報告の基本です。 一日一葉と決めて、その中に全てを要領よく凝縮させること。 子供達が読み返してくれることを期待して、わかりやすく書くよう心掛けました。
クリスチャンホームは祝福の基です。赤ちゃんがお腹にいる時から祈られているのです。これがどんなに素晴らしい祝福かおわかりですか。母親が酒とタバコをたしなむ習慣から解放されている家庭の子供達は幸いです。夫婦がこの二つの弊害から守られている家庭なら強い子供が育つ可能性は大きいと思います。
A カベ新聞の効用
私は小学生の時、『学級新聞』の編集長でした。その時の体験から『カベ新聞』を家族みんなで造ろうと思っていました。長男が幼稚園に入る頃、家族新聞の第一号を発行しました。年に4回、合計三年ほど続きました。記事といっても特別なものはありません。地域の珍しい出来事や学校の行事を中心に書きました。
特に思い出に残っているのは、青島議員が金丸元副首相の代議士の辞職を要求して『ハンガースト』を決行した事件です。29万通のハガキによる賛同の意思表示があり、この運動の盛り上がりの結果、金丸氏は『議員辞職』に追い込まれています。この時、家族で話し合って、6通のハガキを投函しました。
幼い子供達に何が正しくて、何が間違っているのかを教えるのは父親の役目です。日本には何が正義であるかを論じる場は少なく、人々はどう自分の身を処すると得になるのかといった『損得勘定』しか興味がありません。 『正義は国を高くする。』と聖書はいいますが、正義がこの国に十分に育っているとはいえません。だから学校を頼りにせず、家庭でやるべきなのです。
道徳モラルの欠如した日本で、不正と戦い勝利したという経験は、子供達にとって大きな自信となって残っています。あれほどの事件に遭遇できるのは、一生のうちにも滅多にあることではありません。機会を活かして、生きた勉強ができた事を神様に感謝しています。いきさつを纏めて朝日新聞『声』の欄に投稿し、採用になりました。
私達の住んでいる、このアジアにはまだ民主主義が十分に定着しているとはいえません。学校の先生に『民主主義の推進』を期待できません。彼らは家庭内でそのように教わってはいないのです。学校で勉強したからといって、出来るものではないからです。私は学生時代、『学生デモ』に数多く参加しましたが、無意味だったと思っています。『学生デモ』は権力に対する憎しみしか生み出しません。子供には正しい政治参加の仕方を教え、正しい議論のやり方を教えなくてはいけません。相手の主張を最後まで冷静に聞き、自説を堂々と主張する訓練は家庭でやるべき教育の一つです。
B 賛美は家庭から
クリスチャンホームには神様を賛美する歌が溢れています。 賛美は健康の源、最高の『家庭常備薬』です。
毎年、クリスマスイヴには近所を約30軒、キャロリングしました。長女が生れた年に始め、15年間続きました。12月24日は玄関で一緒に『きよしこのよる』を歌うことができました。本当に不思議な一日です。
賛美の醍醐味は、『ハーモニーの楽しさ』に尽きると思います。やさしい曲を選んで家族で楽しんでいます。讃美歌や聖歌の中にはすぐに合唱できる曲があります。『きよしこのよる』もその一つです。家族で合唱ができるようになると、歌う機会も増えてきます。 合唱はベース次第だといわれています。どっしりとしたお父さんのベースが全体をしっかり支えるのです。
ファミリーコーラスが日本中に溢れて欲しいものです。マスメディアにミュージシャンが登場して来ますが、ハーモニーの取れる歌手は非常に少ないのが現状です。日本の音楽のレベルはそれほど高くはないのです。クリスチャンホームの果すべき役割は沢山あるように思います。子供の時に『ハーモニー』を脳裏に刻み込むことです。できれば小学校入学以前にインプットしたいですね。中学校の音楽の授業は高校入試一辺倒で、とてもコーラスを楽しむ余裕なんかありません。
礼拝では出来る限りメロディー以外のパートを歌うように薦めています。折り返しの部分だけでもハーモニーを付けると華やかさが出てきます。『コーラス』は最高の『ボケ防止』にもなります。
『ハレルヤコーラス』も、我が家のレパートリーの一つです。練習用のテープを入手し練習をしました。新年の挨拶に『ハレルヤコーラス』を家族で合唱しています。昨年の『 インターナショナルVIPクラブ・クリスマス・フェスティバル』の『ハレルヤコーラス』に、家族四人が参加しています。この次は全員(6人)で参加しようと話し合っています。読者の皆さんもご一緒に如何ですか。
私達は神を賛美するために『新しく創造された』民です。賛美はみんなのライフワークの一つです。まだ、CDも出していませんし、『NHK紅白歌合戦』にも声は掛かっていません。しかし、『プロの歌手』だと自負しています。