ミッションラザロに思う(2)

■1月21日から22日にかけて横浜寿町カナンキリスト教会においてVIPクラブのメンバーとミッションラザロの兄弟たちで「体験アオカン・寿町徹夜祈祷会2K」と題した徹夜祈祷会がもたれました。VIPの佐々木兄をはじめ、名古屋から泉の森の安田先生ご夫妻、アメリカからは児玉兄、さらにぼくと同じBible College出身の伝道師ジャンとウイネット、そしてカナン教会の韓国の兄弟姉妹たちも共に参加し、国際色豊かな祈祷会となりました。またメディアからはいのちのことば社Sight21編集長の穂森氏とリバイバル新聞の谷口氏も取材して下さいました。当日は冷え込みが一段ときつく、まさに絶好の寿町ツアーの日となりました。なお、当日の様子はリバイバル新聞1月30日号の1面トップと三面において詳細にレポートされています。

■祈祷会はまずミッション・ラザロの兄弟たちの証しから開始されました。それぞれにイエス様と出会うに至る以前の生活と、不思議な導きでイエス様の福音を聞いた時のこと、そして福音に希望を見出してイエス様を自分自身の救い主として受けれたときの経験、さらに現在の生活について証しされました。みなさん、ボツトツとされた口調の中で、最初は若干控えめに証しをされましたが、その味わいが何とも言えない良いものなのです。これは文章ではどうしてもお伝えできませんが、彼らの言葉の中にはそれまでの人生の経験が凝縮されており、それが神様の言葉とあいまって不思議な感動を覚えさせてくれます。

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リバイバル新聞2,000年1月30日号

(キャプションが面白い。誰がラザロさんか分かりません)

■あるラザロさんは1年前まで桜木町の地下道で寝ているところに、Hearty-Partyの"はーちゃん"こと青山姉妹(右端)に声をかけられ、教会に導かれ、イエス様に触れました。彼はそれまで会社や人に裏切られ、人間不信の中で桜木町の地下道に流れ着き、そこでもさんざんに罵声を浴びせられたり、傘でつつかれたりの生活でした。しかし彼は今主にあって喜び、両手を挙げて神様を賛美し、その表情は輝いております。にこっと笑うと前歯がまったくなくて、歯茎だけがのぞくのですが、その笑顔は何とも言えず、私たちを和ませてくださいます。彼は自分の残された人生をすべて福音伝道のために捧げたいと言われます。

■あるラザロさんはトラックの運転手でしたが、事故で人を殺してしまい、交通刑務所で5年間を送り、その後寿町に流れてきました。彼の表情も険しさがなく、何ともいえず心を和ませてくださいます。集会では主を賛美し、スーツでびしっと決めている彼ですが、実は今でもコンクリの上でダンボールの囲いの中で寝ています。しかし彼もミッションラザロとして伝道のために生涯を捧げたいと願っています。もう1人のラザロさんはかつて暴力団を渡り歩いて、いわゆる手配師(人身売買)を生業としておりましたが、かつてたこ部屋売り払った人からの恨みを買い、ある日刺されそうになってから、外に出るのが恐ろしくなり、5年間もドヤに閉じ篭りの生活を送っていました。しかしある日路傍伝道でイエス様の福音を聞いて、そんな自分でも赦していただけるとわかり、今は素晴らしいイエスの証し人となっておられます。

■それぞれのラザロさんには、それぞれの人生の悲しみ、苦しみ、うめきがあります、が、それがイエスにあってはすべて神の栄光のために用いられるのです。彼らの過去は、確かに人間的には悲惨さと惨めさだけでしょう。しかし神の御手が置かれるとき、ハレルヤ、すべて神の栄光に変化されるのです。過去が悲惨であればあるほど、彼らの証しには神の栄光が宿ります。人にはできないことも神にはできる、とあるとおりです。キリスト以外のもので高ぶっている者には悔い改めを、落ち込んでいる者には励ましを、そして人の目には悲惨と見える彼らの上に輝く神の栄光をたずさえて、ミッションラザロは出て行こうとしています。彼らを通して、また新しいラザロさんが得られ、養われ、建て上げられ、そのラザロさんがまたラザロさんを産み、育て、建て上げと繰り返されます。いずれ彼らは仕事の面でもそれぞれの賜物を生かして、共同で事業を興すこともできるでしょう。こうしてキリストにあって彼らは自立していくのです。"ただで物をあてがう"式の福祉がなし得ないことを神はなされます。ラザロさんたちは福祉のお荷物ではありません!これこそがミッション・ラザロのビジョンです。(2000.01.31)


【注】ミッション・ラザロについてのお問い合わせは、カナン・キリスト教会(Tel. 045-664-4710)までお願いいたします。


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