終末とは



ハリウッド映画を見ていると、「最後の審判」とか「終末的事件」をテーマにしたものが多い。特に最近(98年)は「ディープインパクト」とか「アルマゲドン」とか、それらを直接のテーマにしているものが人気となっています。欧米人のメンタリティーには自然とこのような終末論的価値観、あるいは最後の審判的観点が刷り込まれています。聖書によりますと、神のご計画にはあるスケジュールがあり、創造の時以来そのスケジュール通りに事態は進展し、それがいわゆる人類の歴史を構成しているわけです。歴史とは「History=His(神の)+Story(物語)」なのです。決して偶然によるのではありません。

そして今の時代は聖書において「終わりの時代」と言われ、神の最初の創造(旧創造)が清算される時が近いことを示唆しております。イエス自身も、この時代においては「人々の愛は冷え、みな自分のことしか考えなくなり、拝金主義に陥り、方々で飢饉とか地震が多発し、国は国に対して、民族は民族に対して戦争を起こす」と予言しております。実際このとおりの事態となっています。アダムの堕落以来この世はサタンの支配下に置かれ、神を拒否していますが、その人類のの集大成として、様々な悲劇が起きるであろう時代であると言われています。

このような終わりの時代がどのようになるかについては、聖書の中でも特に旧約の「ダニエル書」、新約の「黙示録」に詳しく記述されております。例えばダニエル書9章に有名なエルサレムの歴史に関する70週の予言があります。
お前の民とお前の聖なる都(エルサレム)に対して、70週が定められている。それが過ぎると逆らいは終わり罪は封じられ、不義は償われる。とこしえの正義が到来し、幻と預言は封じられ、最も聖なる者に油が注がれる・・・エルサレム復興と再建についての御言葉が出されてから油注がれた君の到来まで7週とあり、また、62週あって、危機のうちに広場と堀は再建される。その62週のあと油注がれた者は不当に絶たれ、都と聖所は次に来る指導者の民によって荒らされる。その終わりには洪水があり、終わりまで戦いが続き、荒廃は避けられない。彼は1週の間、多くの者と同盟を固め、半週でいけにえと捧げ物を廃止する。憎むべきものの翼の上に荒廃をもたらすものが座す。そしてついに定められた破滅が荒廃の上に注がれる。

70wks.jpgここで歴史との対応を見てみますと、「エルサレムの再建の御言葉」はペルシャ王によって数回出されているが、その主要なものは紀元前458年に出されました。1週とは7日を意味し、聖書によると1日を1年と対応させることがよくなされており(エゼキエル4:6)、したがって70週とは490年を意味します。BC458年より7週(49年)後には城壁も再建され、人口も増え、さらに62週(434年)後と言いますと、BC458年より69週(483年)後となり、それは紀元26年となります(注)。この年は実にイエスがバプテスマを受け、公生涯に入られた年であって、その3年半後に油注がれた者(=キリスト)である彼は不当に絶たれたのでした!

(注)紀元0年はないことに注意。この時間のカウントのし方についていくつかの解釈があります。すなわち1年を360日とする聖書の記述に従うと、483年とは483×360=173880日であり、1年を365日で数えると173880÷365=476.4年となります。ただし閏年を調節しますと、エルサレム再建令がアルタシャスタ王によって出されたBC445年3月14日から数えますとAD32年4月6日となり、この日にイエスはロバに乗ってエルサレムに入ったと言われています(→詳細はSir Robert Andersonの論文を参照して下さいhttp://www.raptureready.com/resource/anderson/robert_anderson.html)。

ところが定められた70週のうち1週がまだ残されております。すなわち7年間ですが、これは黙示録と照合しますと、これから来るべき7年であると解釈できます。つまりイスラエルに対する神のストップウオッチは最後の7年を残して、キリストの十字架以来一旦中断されていると考えられます。もともと神の選民はユダヤ人であったのですが、神はすべての人を救うため、イエスの十字架で救いを完成されて後、ユダヤ人に対するストップウオッチを一旦停止されて、私たち異邦人が教会へと集められて、救いを得る時間的猶予を与えてくださっているわけです。不思議なことにその間ユダヤ人はむしろイエスを拒絶しております。この期間は神の恵みによる統治下にあって「教会時代」あるいは「異邦人の時代」と呼ばれています(→参照)。

しかし条件が満たされれば、再び神のストップウオッチはカウント・ダウンを開始されます。これが最後の7年間と言われ、前半の3年半(半週)においては666(注)の番号で象徴される天才的政治家の手腕によって条約が結ばれる結果、一時的に中東問題は解決されますが、3年半後に彼はその条約を破棄し、エルサレムに攻め入り、神殿にあって自らを神と称し、自らを神として礼拝することを強要します。このため彼は「荒らす憎むべき者」と呼ばれています。彼はサタンの化身(受肉)であって、従わない者は様々の苦難に直面します。

このようにして後半の3年半は迫害や困難に満ち溢れます。これを「大艱時代」と言います。このようにして最終的にハルマゲドン(ハル・メギド=メギドの丘)において大戦争が勃発し、人類絶滅の寸前にキリストが再臨され、現在の旧創造は裁かれて、神の新創造を迎えるために、ついに終わりを告げます。そしてイエスを排除していたユダヤ人も、イエスこそ待ち望みのメシアであったことを知り、悔い改めへと至ります。こうしてエルサレムのために神の定めた70週は成就するわけです。

(注)聖書で6という数字は人が6日目に創造されたことから人を意味し、3は父、子、聖霊の三にして一なる神を意味します。したがって666とは人(6)が神になる(6が3個ある)ことを意味します。この人物は普通「反キリスト」と呼ばれており、キリストが神の受肉であるのに対して、彼はサタンの受肉です。超自然的能力を有しており、頭に致命傷を受けますが、奇跡的に生きかえり、そのために人々から「神」として崇められると黙示録にあります。なお、特に終末の預言については、エレミヤ氏の「エレミヤの部屋」をお勧めします。

(C)唐沢治


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