* 旧Dr.Luke的日々のココロ *
午前中はプールとサウナ。午後はカミさんとチネチッタで映画。街頭販売で実に美味いチーズとワインをgetする。このチーズ、発酵が強くて、ワインと一緒に口の中で溶かすと最高。
映画は"Big Comic Original" 連載の西岸良平氏の『三丁目の夕日』。一言、よかったあ〜。前半は間伸びしている感じでしたが、後半はウルウルでして、とても純粋なカタルシスを味わえます。原作は私が学生時代から連載されているコミックです。
背景は東京タワーができつつあった昭和33年。売れない作家と、借金のカタに身を売る娘の不器用な切ない恋愛に、孤児をはさんで、頑固一徹の鈴木モーター一家のどたばたを交えての、貧しい中での温かい人情があふれる、ちょっと甘酸っぱく、切ない物語。見えない婚約指輪が泣けた。
セットが当時の物を実によく再現しており、あまりの懐かしさにタイムスリップした感じ。私が幼少期を過ごした東京大森の下町もあんな感じだったかなと。鈴木モーターが自動車の修理工場で、ミゼットの三輪車で仕事しているわけで、私の親父も同じ仕事をしていたので、やや感傷が入り込んでしまいました。
当時はタリウムを母親に飲ます女子高生も、ストーカー的に相手の喉を切る男子高生も、女子小学生を殺してダンボールに入れる人間も、援助交際も、出会い系サイトも、一切なかったわけで・・・。品はなく、粗暴で、金も地位もなくても、人間として最も大切な「何か」、「素」というか、「純朴さ」というか、ヴォキャブラリーが不足でイイ単語を思いつかないが、少なくとも今のニッポンが失った"something"があったのだ。そう、生きている、だ!
そしてそれはジメっと陰湿なニッポンキリスト教でもすでに失われて久しいモノ。正しい神学に、壮麗な教会で、リッパなセンセイの元にいて、日曜日ごとにニコニコ作り笑顔しながら、「何かが変」、「何かが違う」とお感じの、ニッポンキリスト教にあって違和感を覚えている兄弟姉妹方に100%お薦めできます。
おおっ、これは奇遇。私も観ました。
漫画の連載も知っていますが、映像がよかった。
青春時代から読んでいたおじさんも泣けました。
周りでもティッシュでクシュクシュしていましたし。
客層もなるほどの人たちでしたが、若い人もけっこう、、。
ラストの「明日も明後日も、50年後の夕日も、ずっと綺麗だよ」、、、
ジーンとして、終わっても余韻に浸りました。
山崎豊子の「大地の子」と共におじさんたちが泣ける映画ですね。