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幸運と不運と・・・

1歳にならない男児がイレウスによって小腸と大腸を失い、挙句の果てに臓器移植、しかも6つの臓器を同時に移植するオペが成功したとか。驚きました。腹部主要臓器のほとんどを他人の物と入れ替えるとは!?何だか手塚治虫のブラックジャックの世界が現実になってきましたね。

移植の場合のもっとも困難な問題は免疫反応です。免疫系の抗体の多様さは利根川博士が遺伝子レベルで解明したわけですが、いずれ制御できるようになるかも知れません。膠原病などの自己免疫疾患も治せる可能性が生まれます。

さらに、今後、おそらく脳以外はあらゆるパーツの取替えが出来るようになるかもしれませんね。すでに再生医学では各パーツを培養できるようになりつつあります。1個の受精卵が分裂・分化してそれぞれの器官となるわけですから、それをコントロールする物質が分かれば、ESセルなどから心臓を作り出すこともできるわけです。

こういった、いわば神の領域に人間が入ることにはイロイロと議論もありますが、私の息子が川崎病になった時、死の可能性に直面し、そのような場合の子を持つ親の気持ちは十分に分かりますので、この子の将来が祝福されるように祈ります。

ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう。


 * * *

対して、駅のホームから(おそらく)精神異常の女性に突き飛ばされて老人が電車にはねられて死亡。なんとも痛ましい事件だ。加害者が心神喪失であれば、刑事責任は問えなし、国もこういった被害者に対する補償は何もしない。隕石が空から降ってきて直撃を受けたようなものである、が、人はこのような場合には悲劇を嘆いても、苦しむことはない。しかし加害者が人であって、その人が自らの意志をで行ったこと、さらにそこに悪意がある場合には、人は深く傷つく。人を傷つけるのは行為そのものではなく、心の動機なのだ。

外側から人にはいって、人を汚すことのできる物は何もありません。人から出て来るものが、人を汚すものなのです。

今回の加害者の心の中で何が展開していたかはほとんど分からないが、多分、妄想を持ち、何かの「声」を聞いていたと推測する。前にアメリカのロックのレコードに、"DO IT"というサブリミナルの音が録音されており、それを聴いた兄弟が教会で殺人を犯し、自分たちも自殺した事件があった。日本でも青少年が「声」を聴いて起こす事件が増えてきている。霊的要因と精神病理が錯綜した事件と推測する。が、残された家族の気持ちはどんなものであろうか・・・。

Commented by ともじいのおやじ Eメール 2005年09月07日(水)20:20

臓器移植の話ですが、ドナーは何歳のお方なのでしょうか?仮に20歳としましょう。レシピエントが40歳の働き盛りに、移植された臓器は既に60歳になっている訳で、果たして手術がうまくいったとしても、「成功」と言ってしまって良いのでしょうか?赤ちゃんのうちから免疫抑制剤を使う弊害もあるでしょうし・・・複雑な思いがします。

Commented by Luke 2005年09月07日(水)22:12

このケースではドナーも1歳位のようですね。

・陽佑ちゃんを救う会
http://yosuke-chan.web.infoseek.co.jp/
・移植外科フェロー@ダラスのサイト
http://www.dallastsushin.com/

確かに術後管理や遠隔予後がどうなるのか、気になりますね。