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本日の二冊

今日でしばらく木曜日の仕事はなくなった。楽ができます。

アップロードファイル 19KBで、一冊目。『反省』。ご存知鈴木宗男氏と佐藤優氏の逮捕劇の裏側を、本人たちの対話形式で述べたもの。逮捕から5年を経て、すべてを語るという次第。前の鈴木宗男氏の闇の権力執行者と合わせて、読んでみると面白そう。外務省の闇は相当に深そうではある。(しかしこのお二人、何とも人相がよろしくないなあ・・・)

アップロードファイル 10KB二冊目は『スーパーコンピューターを20万円で創る』−天文学の計算のために、たった20万円で2億フロップのスーパーコンピューターを作ってしまった東大の大学院生の記録ドキュメンタリー。パイプライン方式の専用コンピューターであるが、素人の彼らがゼロから作り上げたとのこと。天文学ではニュートン力学に従って初期条件さえ与えれば、後は解が一意に決まるわけだが、実は3体以上の多体問題は解析的には解けない。銀河系は何百億の星星の相互作用でなるわけだが、それをシミュレーションすると言うわけ。現在地球シミュレーターと言う汎用スーパーコンピューターがあるが、それは何百億もする。それに匹敵する性能をたった20万円で実現・・・。迫真の筆致でつい引き込まれてアッという間に読了。いやあ、世の中には実に頭の良い人々がいるものだ。

しかし、いつも思うのだが、自然科学系の書物のクリアさと明快さに比して、社会科学系のドロドロのワケわかめの様相はまったく対照的だ。私も歳を取って、ようやく理系バカを卒業でき、それなりに社会科学系も楽しめるようになったが、人間の作為が入るほどに「美しさ」は消失する(→論理と美しい情緒)。

さらにこれが神学とかになると、もうまったく相手にする気も失せるわけで・・・。御言葉は美しいが、神学はご遠慮したいという次第。創造主なる神を相手にしている神学が最も人間臭い、と言うよりは、神学者の精神病理の反映であることは実に皮肉と言えるだろう。この面からは私も大いに関心が湧くのだが・・・。

なぜなら、神について知りうる事柄は、彼らにも明らかだからです。神がそれを示されたのです。世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は被造物に現れており、これを通して神を知ることができます。

しかし、早寝早起きモードに馴れると、体調が実に快調だ♪

Commented by chohsuke URL2007年07月06日(金)08:28

こんにちは。
いつも刺激的なエントリを楽しませていただいております。

>自然科学系の書物のクリアさと明快さに比して、社会科学系のドロドロのワケわかめの様相はまったく対照的だ。

社会科学は自然科学をひとつのモデルとして数学的な精緻化を重ねてきたと思いますが、私の認識では70年代の行動科学の「失敗」以降、社会事象をいっぺんに説明しようとする(つまりは「美しい」)大理論への志向は退潮しているように思います。

私個人としては、社会科学は美しくなくてもいいのではないか、と思っております。
むしろその美しさを求める理論は、社会科学という文脈においては、現実からあまりに乖離する「宿命」を持っていると思います。

科学であろうとする志向性と、複雑な現実に肉薄しようとする志向性の股裂き状態にあるのが、社会科学でしょう。
そして、そのようないわば「醜い科学」であることに忸怩たる思いを持ちながらも研究を続けるのが社会科学者だと思います。