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オウム(アーレフ)と教界の現状

警視庁長官銃撃事件で、元オウム関係者が逮捕された。一体誰が実行犯か不明であるが、何らかの進展があるのだろう。で、ちょっとネットを検索して、元オウム真理教、現アーレフのサイトを覗いてみた(→http://www.aleph.to/)。

いや、実はこれが面白い。内容がきわめて哲学的かつ科学的。上祐氏は早稲田理工学部出身だけあって、よく勉強している。素粒子物理学の観測の問題、つまり人間の意識と観測の関係や、キリスト教のこともよく勉強している。霊的にはやはりニューエイジに入っているが、内容自体は面白い。

対してキリスト教界のサイトはどうか。これが実に貧弱。「貴方には罪があります。イエス様は身代わりに死なれました。あなたは神のVIPです。信じれば天国に行けます。この世でも幸せになれます。」―オワリ。

はっきり言って、自然科学者としての私から見た時に、まったく面白くないし、幼稚である。例えば、進化論を論駁する論理もきわめて幼稚。せめて木村資生氏の中立説を確率微分方程式で説明できるくらいの知識を持っておいて、創造論を説いて欲しい。

あるいは人の実存的状況について、その真実をカフカあるいは村上春樹の「ノルウェイの森」の病理を解き明かせる位の見識を持ってから、人間の虚しさを説いてほしい。

現在の福音伝道の状況を比喩的に言えば、真実を知っている幼稚園生が、偽りを信じ込んでいる東大生に述べ伝えるようなものである。しかもこの幼稚園生はプライドがかなり高く、頭ごなしに「信じろ、信じろ」を連発し、自分は難しい神学をアレコレ知っていると互いに張り合っているから始末が悪い。また禅の修行僧の清々としたあり方に比して、牧師先生たちの脂ぎった様も私は好まない。

さらに最近、チャーチスクールやホームスクールなどが流行であるが(前にここのBBSでも嵐が吹いたが)、これには大いに疑問を呈する。いいですか、ヨセフもモーセもエジプトで当時の最高の学問を身につけ、ダニエルはバビロンで霊的に訓練されたことを忘れるべきではない。パウロもガマリエルの元で薫陶を受けた。

前にCLC洋書部で、夏休みにアメリカから帰省した(多分)牧師の倅が、「○○の訳本ないですか。試験対策なんです」と言っている光景に遭遇して、やれやれと思ったものだ。本人も、彼の牧会に与る者たちも不幸であろう。かくして今後、温室育ちの幼弱にして、ちょっと発育不良(異常)のクリスチャン・ジュニアが出てくることを懸念しているのは私だけであろうか。

真に子供を愛しているならば、教界などに任せることなく、この世で鍛えるべし!