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ネットカフェ難民

帰宅途上の車の中で観ていたNHK『クローズアップ現代』でレポートされていたネットカフェ難民。20台から30台が6割近くを占める、新しいホームレスの形だとか。驚きましたね、聞いてはいましたが、その実態に。時給800円の日雇い仕事で、アパートなどを借りられず、寝泊りは1泊1,200円程度のネットカフェで。

昔は田舎から出て来ても、あの『三丁目の夕日』のように、住み込みで家族同然の生活を送り、その中で手に職を付けて自立して行ったもの。現在はそのような人間関係が切れてしまっている。長女の会社は某大企業なのだが、話を聞くと、結局人事構想がすでに正社員と時間雇い社員とでまったく違っている。正社員はコストが高いため、残業を減らし、そこに時間雇いを補充する構想なのだ。よって時間雇いのレッテルを貼られた者が正社員になることはほとんど無理だ。一度落ちたら這い上がれないことが最も問題だが、結局這い上がってもらっては企業としては困るのだ。

かくして個人の価値がすべて仕事生産性に置き換えられ、企業の論理に貢献できる部分だけが買われる。GDPは3%近い伸びを示しているが、これはマクロな統計であり、この数字を生み出すために、ミクロなレベルでいかに多くの人間性疎外が起きていることであろうか。聖書の黙示録にあるバビロンには宗教面と経済面の二面性があることを前から指摘しているが、後者においては

その商品とは、金、銀、宝石・・・小麦、家畜、羊、馬、馬車、奴隷、人間(原語:)である。

とあるとおり、人の魂が商品とされる。この御言葉も間違いなく成就しつつあるようだ。

(影の声:もしかすると牧師たちが自分の教会の信徒数は何千名とか誇ることも、実は魂を商品としているのかも知れませんね。これは恐ろしいことだとおもうのですが・・・)