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自然科学者の見方

アップロードファイル 12KB昨日の記事にレスをいただきましたので、ちょっとついでに自然科学者は事象をどのように見るかの一例を紹介します。図にありますように、ある調査でx,yという変数を調べて、xy軸上で散布図を見るとxとyはかなり関係がありそうです。これを「正の相関がある」と言いますが、また別の見方をしますと、この事象はx,y軸では本質が見えないとも言えます。

そこで分散(広がり)の一番大きい方向と、一番小さい方向に軸を取り直します。これは行列の固有値問題となるのですが、大きい方をA軸、小さい方をB軸とします。するとこの事象を最もよく説明できるのはA軸であり、あまり説明できないのはB軸となるわけです。で、問題は、この事象において果たしてA軸は何を意味するのだろうかとなるわけですが、これは数学の問題ではなく、解釈の問題、すなわち個々の経験科学の問題となるわけです。

こうして私たちは本質的な隠れた変数を見出すわけです。それがニート・フリーター問題であれば、A軸とは「自己責任⇔甘え」の軸であろうと考えるわけです(Aが大が自己責任、Aが小が甘え)。社会科学や思想においては、私たちとは逆に、やたらと詳細な変数まで考慮に入れて議論が分からなくなる印象を持っていますが、彼らからすると自然科学はあまりにも「おおざっば」であると見えるのでしょうね。確かに実際のところ、私たちはB軸は捨象して、この事象をA軸のみで説明するわけです。

キリスト教神学にしましても、私たちからすると、「いのちの成長」が最も重要かつ本質的な変数であり、その他の変数の違いによって論争するのは、まさに不毛な論争であろうと考えるわけです。極端な例では、ある教派では、賛美の際の有楽器派と無楽器派で分裂しているそうですから。

と言う次第でして、私どもとしては、Aと言う変数が見つかった場合、その解釈に対しては多くの分野の方々の意見を伺いたいと思っておりますので、よろしくどうぞ。