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人生浮世狂言

いやあ、このニュース、面白いですね。10万円を預ければ、毎年10万円天をもらえて、それでいくらでも買い物ができるとのこと!?これで集めた一千億円の金がそこかへ消えたとして、出資法違反で捜査を受けたこのオッサン、何だかかつての「サイコーですかぁ〜」の福永法源さまとそっくりだ。しかし実に面白い。このオッサン、いずれは日本の財政危機を「円天」で克服するのだと息巻いていたようだ。

昔「人生ゲーム」と言う双六がありまして、このゲームの中で、金持ちになったとか、破産したとか、子供の頃はかなり夢中になったもの。"金"が溜まると何となくリッチになった気分でウキウキしたもの・・・。それしてもこのようなゲームを現実にやってしまう人がいて、それに踊らされる人が少なからずいるわけだ!?驚きます。

アップロードファイル 6KB私の好きなヴァン・ダムの映画で『ストリートファイター』と言う、元々はゲームだったのを実写化した作品がある。この中でもバイソン(ジョンイル様?)が率いる悪の帝国シャドール国(北朝鮮?)の中だけで通用する「バイソン紙幣」があるのだが、バイソンのシャドール国がヴァン・ダムら(服装がUN軍的)によって崩壊すると、その紙幣をたんまり蓄えていた男が見事にスッカラカンになる場面があるわけ。まあ、誰も将軍様の発行する紙幣などは要らないわけで・・・。

しかし考えてみると通貨は所詮国家のバックアップ、つまり信用の裏づけがあって流通しているわけで、皆が信用しているから、通貨に価値が付与されるわけだ。この信用が失われると年率1,000%のインフレにもなる。一万円札自身はどのくらいの費用で印刷されるのか分からないが、それ自体は単なる紙切れ。かといっていまさら金(ゴールド)本位制にも戻せない。しかしこの紙切れに目が眩む。経済は実は心理学。

この意味で日本国通貨に目が眩む人も、バイソン紙幣や円天に目が眩む人も、実は本質的にほとんど変わらないのかも知れない。通貨自体は便利なものであり、これがさらに電子マネーとなり、クレジットカードのようなプラスチックマネーになれば、ますます利便性は増す。しかし聖書にあるとおり、

金銭を愛することが、あらゆる悪の根だからです。ある人たちは、金を追い求めたために、信仰から迷い出て、非常な苦痛をもって自分を刺し通しました。

心の置き処、拠りどころの問題。これは私自身も身をもって知っているわけで・・・。それにマネーだけでもない。世的なモノを捨てたセンセイたちがけっこう野心家だったりするわけで。所詮、人生は浮世狂言。私たちはこの世では寄留者に過ぎないのだ。が、このことをいかにしばしば忘れることか。しみじみと自分を省みるうら悲しき秋の夜ではある。

【追記】日経夕刊によると、このオッサン、「私が法律だ。よって合法である」との持論を展開しているようだ。実にオモシロイ(笑)