* 旧Dr.Luke的日々のココロ *
お昼休みにPCで、英語耳を養うために、DVDの『トップガン』を観ていたら、ドアをノックする音。出てみるとひとりの女子学生が。何か訳あり気なので中に入れてあげると、最初は話たがらない。で、こういう場合、大体の見当がつくので、ちょっと話を振ってみると、「先生、何で分かるんですか!?」と。もう20年以上、この年代の子達を相手にしていますから、黙って座るだけで細木数子程度には分かるのだ。
それから彼女も話し出して、私が「そう、がんばったんだね」と言うと、突如泣き出してしまった。ティッシュの箱を渡してあげて、話したり泣いたりで、小一時間ほど。表情がほぐれてきて、「ありがとうございましたぁ」と帰って行った。歳は20歳、わが次女と同じだ。彼らは何も考えてないようだが、それなりに彼らなりの重いモノを背負っているのだ。
で、ふと自分の当時を思い起こしてしまった。あの当時は何だかひたすら空回りしていた。大学へ行って、悪友と顔を合わせるとすぐに渋谷へ。当時は渋谷のセンター街も実にのどかだった。インベーダーゲームの真っ盛りで、喫茶店でコーヒー1杯で3時間は粘ったもの。「名古屋撃ち」をマスターしてから、腕が上がった。
わが悪友のひとりは加藤締三と麻原彰晃を足して2で割ったような風貌のむさい男。新潟出身で、新潟弁が面白く、何故か引越しばかりしていた。理由は大家が気に食わないから。私も引越しの度に駆り出されたが、結構新しい場所へ移るのは楽しかった。ある日彼のアパートの部屋でベッドの上に妙なものを見つけた。真っ黒になっているクマちゃん人形だ。「おい、これ何だよ?」と聞くと、あわてて隠そうとする。で、問い詰めると、何と「オレ、これがないと寝られないんだ・・・」。「ええ、お前、抱いて寝てるの!?」。実に面白い奴だった。その後農学部を出て、今アメリカにいる。
今、前に紹介した唐木田氏の著書を読ませてもらっているが、彼らは学生運動の真っ只中で、サルトルの実存主義哲学を読まれている。彼女とのつきあいも、ボーボワールを介してだ。団塊の世代と私たちにはかなりのギャップがあるかも。対して、私たちの世界観は思想性はゼロ、汚いGパンをはいて、パーマでクルクル頭にした中村雅俊の『俺たちの旅』でしたから(今もわがカラオケの定番)。確かに駒場では学生運動家もいて、駒場寮はその根城だったが、私は彼らの「われわれはぁ〜、われわれのぉ〜、断固としてぇ〜、粉砕するぅ〜」といったアジ演説は全くのBGMだった。
職場でも団塊の世代とはけっこう付き合った。88年ごろに私の同僚でやはり学生運動をした方がいた。私より10歳上で、よくお世話になった。飲みながら「君は老成し過ぎているっ!もっと冒険しなくてならないっ!」とか、あの団塊の世代特有の独善的押し付けムードで迫られたりもした。彼は学生時代に結婚しているが、運動の女性同士がある晩の雨の中、汚いアパートにずぶ濡れで訪ねて来て、ふたりは結ばれたそうだ。まさにかぐや姫の『赤ちょうちん』の世界だ。その彼も1億5千万の家を購入した直後、書いていた本のゲラの校正をして徹夜の連続。ある朝、自宅のコタツで眠るように逝った。享年42歳、死因過労死。団塊の人の典型かも知れない。
と、つらつらと書き連ねたが、ついに娘たちが当時の私の歳になったわけで、その頃のわが写真を次女に見せたところ、「ええ、これでタメ?老けてるぅ〜」と黄色い声をあげた。まあ、青春の形も実に変わりつつある。う〜ん、想へば、遠くへ来たもんだ・・・。
ルークさん、読みながらとても懐かしいを飛び越して・・・何故だかおもいきり照れてしまいました。どうして青春ってこんなに照れるんですかね???
ルークさん、お若いですね。
どうもです。まだ青春を終わらせたくないのかも^^V
森田健作モードで生きたいです。