* 旧Dr.Luke的日々のココロ *
実は昨日観た映画−『墨攻』。原作はビッグコミック(ゴルゴ13も連載中)誌連載の同名の漫画。漫画はメディとしてすでに侮れない存在となっている。ちなみにあの『20世紀少年』も映画化されるようだ。これはビッグスピリッツ連載で同誌上では完結しているようだ。
時はBC370年戦国時代。趙と燕の国境にある粱城は、趙によって攻撃されようとしていた。10万の趙軍に対し、梁城の全住民はわずか4000人。頼みの綱は墨家の救援部隊だったが、間に合いそうもなく、粱王は降伏を決断する。墨家の革離(かくり)がたった1人で駆けつけたのは、その直後だった。兵に関する全権を粱王から与えられ、早速城を守る準備に取りかかる革離。趙軍の指揮官・巷淹中は革離を好敵手と見なし、やがて激しい攻撃を開始する。
かくして革離の的確な状況分析と戦略により、梁城は守られるも、革離の評価と人気が高まり、梁王は嫉妬に駆られ、恩人である革離を排除しようとする・・・。と言うわけで、サウルとダビデの物語的展開になるわけ。 天帝とは神のことだろうが、何とこれ聖書的ではないか?そして現代のニッポンに必要な教えではないだろうか?これが2,500年も前に説かれていたわけで・・・。ちなみに主演のアンディ・ラウが何となくイチローを髣髴させた。私的にはすごく好きなプロットの作品だった。 天帝はルークさんのおっしゃるとおり創造主の事です。創造主はお一人しかいませんから、父なる神です、漢字の成り立ちの本の中で天帝の事が書かれて有りましたが、創世記そのものでしたね。ソノ時代に聖書の教えが中国の中で働いていたことを興味深く思います。ただ、イエスの前のことで、救い主のことはきじつがなく残念に思いますが、自分の事を考えてもそんなもんですかね。
それにしてもこの墨家と言う思想家の集団は実に不思議な存在。BC450年、孔子の没後30年ほどの時代、墨子が魯に拠点をおき創始した学団。自ら戦うことはせず、守りに徹する。その面ではまさにプロ。孔子の儒家と匹敵する存在だったそうだが、秦の始皇帝時代に忽然として姿を消す。その教えは次のようなもの:墨家十論
一、兼愛−自分を愛するように人を愛せ。
一、非攻−侵略と併合は人類への犯罪。
一、天志−天帝は侵略と併合を禁止する。
一、明鬼−鬼神は善人に味方して犯罪者を処罰する。
一、尚賢−能力主義で人を登用せよ。
一、尚同−指導者に従って価値基準を統一せよ。
一、節用−贅沢をやめて国家財政を再建せよ。
一、節葬−贅沢な葬儀をやめて富を蓄えよ。
一、非楽−音楽に溺れず節約と勤労に励め。
一、非命−宿命論を信ぜず勤勉に労働せよ。