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情報と国家-収集・分析・評価の落とし穴-

アップロードファイル 5KBテレビでよく見かける江畑謙介氏著。ややオタク系かなと思っておりましたが、かなり学術的。

先の論考とも関係するが、日本語には対人関係に関わる語彙はややこしいほど豊富なのだが、情報に関わる語彙がきわめて貧弱。日本人にとっては対人関係は敏感かつ大切なのだが、情報についてはうとい。元々「情報」なる単語もあまり適切ではない。文字通り「情」の「報せ」だから。これってやはり西周あたりの造語でしょうか?

江畑氏はここに落とし穴があると指摘する。第一に"DATA"に相当する日本語がない。第1次的に得られる生の数字なり、文字なりのこと。確かに私たちも「データ」と呼び、日本語では???。データが集まって種類に従って関係性が見えてくるとそこに意味が生じる。これが英語では"INFORMARTION"。それを分析し評価して得られるもの"INTELIGENCE"。こうして生のデータは文脈化され生きたものとなる。

ところが日本語には各レベルに相当する単語がない!?WWUにおいて勝敗を決めたのは情報戦だったわけだが、日本人は「情」に対しては敏感であるが、「インフォメーション」にはうといわけだ。これは現在も同じ。このあたりも「情」先行になってネットを使いこなせない原因だろう。第一、イラク関係の米軍の機密情報すらも自衛隊からWinnyを通して漏れる始末。

なお、国家レベルの情報についても、例えば冷戦時代においてすら、CIAは東側の80-95%の情報を公開情報から得ていたとのこと。問題は公開されている情報を生かすも殺すも、受け取る側の姿勢によるわけだ。かなり面白い1冊だった。

で、私たちもこれからCT関係のデータの分析にかかるわけだが・・・。何が出てきますかね^^