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Dr.Lukeの一言映画評

アップロードファイル 6KB久々の映画鑑賞。『父親たちの星条旗』。クリント・イーストウッド監督作品。硫黄島上陸作戦のシンボルとなった一枚の写真の真実をめぐって翻弄された3人の帰還兵の運命を描く。

この有名な写真は太平洋戦争の帰趨を決定したが、それには隠された真実があった。が、政府とマスコミはこの旗を立てたとされる3人を利用して、戦争国債を消化しようとヤラセのヒーローショーを展開する。3人のうちのひとりはそれに乗り、自らの出世を画策する。ひとりは偽りに乗せられることに良心を病み、アルコールに溺れ、悲惨な最期を迎える。そしてひとりは淡々と人生を送るも、真実を一切語ることはなかった。

イラク戦においても女性兵士をめぐってヤラセ・ヒーロー物語を米国がでっち上げたことは有名だが、その体質はこの旗にも生きている。メディアもヒーロー話を好むものであり、美談や英雄譚をでっち上げていく。そのような時代の風向きに逆らって主人公に言わせる:「英雄などは世が必要とするから作り上げるもの。英雄などは要らない」と。けだし名言。

ちょうど朝にクリスチャンメディアのあり方に触れたが、彼らも金粉が舞ったとか、何それの預言が語られたとか、かまびすしい限りであるが、私に言わせれば、「油注ぎの器などは教界が必要とするから作り上げるもの。油注ぎの器などは要らない」となるだろう。普通のおじさん・おばさんとして、小さな真実の中に生きること。これこそが神の目にあってのヒーローなのだ。繰り返すが、「人が尊ぶものを神は忌み嫌う」。

ややトム・ハンクス主演の『プライベート・ライアン』と作りが似ているが、大人の鑑賞に堪える作品であり、12月に日本側視点から描かれた『硫黄島からの手紙』が公開される。楽しみだ。

Commented by Luke 2006年11月03日(金)21:17

やれやれ。上を書いたらさっそくクリスチャン・ヒーローが堕ちました。アメリカの3千万のメンバーを持つ"National Association of Evangelicals"のリーダーがゲイ疑惑です。自らがゲイに反対する運動を展開していたのですが・・・。
http://www.msnbc.msn.com/id/15536263/

昔、ジミー・スワイガードが売春婦といる写真を撮られて、その記者を恫喝したものの、ついにばれてしまった事件がありましたね。恫喝ってやっぱりやましいからするわけなんですね。

Commented by Luke 2006年11月03日(金)22:40

真実と言う点では、あの欠陥マンションを最初に告発し、自らも不正増資(明らかに別件)で有罪となった藤田東吾氏がその後もいくつも告発していますね。山谷さんや私の場合も同じですが、告発する側は少なからず傷を受けるものです。かつてのJFK事件を追ったギャリソン地方検事もそうでした。私的には藤田氏を応援したい。彼のビデオはこちら→http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/

Commented by Luke 2006年11月04日(土)08:59

テド・ハガードのゲイ・スキャンダルは、彼がブッシュとも深い関係を持っていますから、中間選挙にも影響しそうですね。しかし米国にはゲイの売春夫がいるのだ!?上のリンクに新しいビデオがアップされています。

追加:テドは売春夫からメタフェタミン(覚醒剤の一種)を購入していたようです。「誘惑されたが使っていない」とインタビューに答えていますが。

Commented by DJ Jerry Eメール 2006年11月04日(土)10:37

英雄はメディアが作り上げるもの。ん〜、考えさせられますねぇ。坂本竜馬がここまで有名になったのは、司馬遼太郎が「竜馬がゆく」で彼を取り上げたからだという説を聞いたことがあります。それまでは歴史に埋もれていたらしいです。あと、僕は個人的にはライプニッツに興味があるのですが、同じ微積分を発明したニュートンのほうが英雄扱いされていますよね。ロマン・ローランの小説「ジャン・クリストフ」に「英雄とは自分にできることをやる人のことだ」という台詞が出て来ます。いわゆる一つのその〜、なんですか、英雄ですか、難しいですねぇ〜。

Commented by Luke 2006年11月04日(土)14:35

そうですね、人間ってヒーローやアイドルを求めるものなのですね。本質的に神から離れたことにより、心の中に空洞をかかえていますから、それを埋めたいわけです。DJ Jerryさんの感じる米国中間選挙の風をぜひBroadcastして下さい。