個別表示

気になる本

アップロードファイル 23KB

90年代のバブル崩壊を予測し、警鐘を鳴らしていた、ラビ・バトラ氏の新著。先に『日本国破産のシナリオ』を紹介したが、それに続くシリーズ。同氏はホリエモンや今回の村上氏的手法(金がすべて)を批判し、徳による経済運営=経済民主主義=を提唱している。ただしちょっとインド哲学的色彩がある。

Commented by Luke 2006年06月03日(土)18:12

ただ今読んでおります。面白い。この数年で経済状況は大きな変革期を迎えると。鍵は原油価格です。詳細は後ほど。

日本でも85年に小室直樹氏(http://www.interq.or.jp/sun/atsun/komuro/)がソ連の崩壊を予言しましたが、バトラ氏(http://www.ravibatra.com/)は70年代に予言しております。33の予言のうち、31までは成就していると。もちろん彼は学者であり、その予言は経済学の分析に基づくものです。シンディ何とかさんたちとは違いますので、そこんとこヨ・ロ・シ・ク。

Commented by Luke 2006年06月04日(日)22:12

バトラ氏の予言する「資本主義」の崩壊とは、アメリカ型の弱肉強食型の経済社会のこと。資本主義そのものではなく、アメリカ型のソレである。ホリエモンや村上氏の手法が象徴する。彼の言う経済民主主義とは60年代から70年代の日本型の会社組織による経済運営とほぼ同じ。要するに会社は株主のものではなく、従業員のものであると。会社は人生の舞台であり、その人の人格の一部であると。個人が会社のコマになるのではなく、会社が個人のためにあるわけ(「燃ゆるとき」→http://www.kingdomfellowship.com/cgi-bin/blog/index.cgi?no=1424)。アングロサクソンの弱肉強食の価値観=グローバルスタンダード=がいかに人々を傷つけたかは、すでに8年連続で自殺者数が30,000人以上を記録し、一方で特殊合計出生数が1.25に端的に現れている。商店街はさびれ、車で行ける郊外の大チェーン店は流行る。かくして駄菓子屋的人情商売は消え去った。元々日本人の神経はそれに堪え切れないのだ(「最近の日本に思う」→http://www.kingdomfellowship.com/Column/flowing1.html)。バトラ氏は人を主体とした経済の運営の根幹をPROUT(Progressive Utilization Theory:進歩的活用理論)としている。勝ち組・負け組みの二分化ではなく、全体が潤うような資源活用のことであり、それは倫理あるいは徳による経済運営である。ある面で東洋的であり、しっとりとしている。現実経済としては現在の原油バブルとアメリカの住宅バブルが崩壊するとき、全世界は大恐慌を迎えるであろうと。日本はすでに1千兆の借金を抱え、日本の国債はすでに海外投資家からは見限られているとのこと(格付けはボツワナ国債以下!)。今景気が回復基調にあると言われているが、これで量的緩和策を解除したわけだが、これがために長期金利が急速に上昇。これが日本の致命傷となると予言している・・・。これから先はそれぞれでお読みいただきたい。

Commented by chohsuke URL2007年04月27日(金)12:52

はじめまして。
いつも興味深いエントリを楽しませていただいています。

私も小室直樹の読者ですが、一点気になったことがありましたので。
>日本でも85年に小室直樹氏がソ連の崩壊を予言しましたが
とありますが、小室氏がソ連崩壊を「予言」したのは、1980年に出版された『ソビエト帝国の崩壊』であると思います。
http://www.interq.or.jp/sun/atsun/komuro/1958-1980/1980001.html

細かい点ですが、気になりましたので報告させていただきました。

Commented by Luke 2007年04月27日(金)18:26

あ、ご指摘方ありがとうございます。そうですね、同書です。