■そしてこれらのケースにおいては麻薬中毒患者とか、ストーカー的変質者やサイコパス(精神病質者)などが一枚噛んでいることも事実であり、最近流行のFBI開発の犯罪の心理捜査手法プロファイリングによってその精神病理的側面は明らかにされている。しかしながら霊的側面についてはまったく考慮されていないのが、私たちクリスチャンにとっては不満足の残る点である。これらの精神病理的事件あるいは猟奇的事件の背後には必ず何らかの霊的影響があるのであって、精神病理的側面はその表現に過ぎないのである。
■例えば今回の安室の母のケースにおいても、彼女の経営していたスナックの建物については以前より「おばけ屋敷」と言われており、そこを借りた人は必ず自殺したり、事故に遭って死んだりするといういわくつきの場所であったという。そのために賃料が安かったということである。そして安室の母は占いとかそのような迷信的な話しによって影響を受ける傾向が強かったという。わたしはこの事件の一報を受けた時、これは霊的な要素がある事件だと直感したが、いろいろな報道によってその確信を強めている。(注)マリリン・モンローとシャロン・テート事件の主犯チャールズ・マンソンより命名する。謎の死を遂げたマリリン・モンローは悪魔教会のメンバーだったと言う噂がある。
■本当の神を知らない日本人はこれほど露骨な表現は少ないとは言え、もっと穏やかな形ではあっても、霊的には全く同様の事態が密かに起きている。いろいろな権威を否定するとか、援助交際などの性的逸脱、家庭内あるいは校内暴力、さらに高級官僚におけるモラルの低下など、これらの背後には必ずかの悪しき者の働きがある。この世の君に自分を明け渡して、社会的評価、人気、栄光、富みを得れば得るほど、それはサタンの手の中で翻弄されることを意味する。そしてサタンの本質は偽り者であり、破壊者、盗人、殺人者なのである。彼は神の形に造られた神の愛する人間を妬み、憎悪しているのである。よって彼は求める者にこの世の栄光を一時は経験させてくれるのであるが、それはいわば「サタンの栄光」であって、いったん自分の手に落ちてきた獲物は必ず滅ぼすのが彼の喜びなのである。日本でもっとも華やかな人気歌手である娘の絶頂時にあって、それと対照的な沖縄のひなびた村という霊的未開の地に暮らす母において起きた今回の事件も、その裏にこのような霊的な典型的要因が潜んでいると私には思えるのである。(1999.03.19)