最近の日記

投影の病理

パラノイドの病理において投影と言う心理機制が重要な働きをしていることを述べた。実はこの投影は教界の中でもきわめて一般に見られる機制であるようだ。私はサイエンティストであって(霊的要因を考慮に入れますが)、自分自身をニッポンキリスト教における牧師とは思っていないし、なりたくもないのだが、どうも「牧師」の理想像を投影されてしまうことがある。

私は自由でいたいから、人々からのそのような投影にはほとんど応えないようにしている。つまり私に対する期待を感じたときにはそれには応えない。これを負い込むと第一に自由を奪われ、第二に本当の自分を見失う。

ニッポンキリスト教界で"一流の牧師"になるにはこの投影をうまく受け、それにソツなく応えることができる必要があるようだ。その時、誰からも尊敬される立派な牧師となれる。しかし私とは関わりのない世界。かくして今後も皆さんの期待は大いに裏切り続けますので、よろしくどうぞ^^。

情報聖戦@NHK

NHKではアメリカとビン・ラディンの情報戦についての特集であった。イスラム内部もいわゆる正統派とビン・ラディン系のテロリスト系の間に相克が生まれているらしいが(TIME誌)、情報戦によってビン・ラディン系の影響力が強まっている。アメリカはアラビヤ諸国にアルファットというヒモ付きの放送局を作ったが、ほとんど信頼されていない。ビン・ラディン側はネットやDVDなどを有効に使い、若者をジハードへと駆り立てている、という内容。

前に書いたがアメリカの思考行動パタンは大脳の第三層によるもの。しかるにビン・ラディン側は第二層に訴える。どちらが優位かは自明である。この辺がアメリカの愚かさである。自分たちの方法が彼らにも通じると思い込む点。確かに日本では原爆を用いて去勢に成功したが、イスラムと言う最強のカルトにはまず通じまい。

現代は情報戦。どこに真実があるか分からない。しかしはっきり言えることは、人の血が流れ、人の肉が飛び散っていること。これだけは否定しようもない事実である。

その一方でニッポンキリスト教のクリスチャンたちは、のどかな神学論争によって互いに異端のレッテルを張り合って、個人預言を受けて、按手を受けて、恵まれる説教を聴いて、自分は神のVIPであると喜んで、聖霊の原爆が落ちることを待ち望んで、カウンセリングにサイコセラピー、アダルトチルドレンを演じて、インナーチャイルドの癒しを受けて、ビジネスマンとして成功する方法や人間関係を改善する方法を学んで・・・やれやれ。どこかおかしいと思いませんか?

911陰謀論

テレビ朝日の911の「7つの疑惑」は面白かったが、新しい情報はわずかだった。フロリダの小学校でのブッシュのおかしな行動、ペンタゴンに突っ込んだは757ではなく、軍用の無人機だったこと。これはエンジンの写真を秘匿している人がそれを公開したが、エンジンの直径は何と50-60cm。一部ではトマホークミサイルとも言われていた。

他はここでも紹介してきた情報や、田中氏の推測だけ。ただジョン・コールマンを表立って取り上げていたことは少々驚いた。例の「レッツロール」のウソも実証していた。つまり携帯は上空1万メートルからでは通信ができないこと。

クリスチャンの思考回路には、こういった政府の陰謀などに対して、政府を疑うとは神の立てた権威を損なうこと、陰謀は神のご計画に反すること、陰謀などは妄想である・・・といったパタンが刷り込まれており、ある種のタブーになっている。そこで思考停止するわけ。しかし聖書にすら、「ユダヤ人の陰謀」という言葉がある。自分は騙されていないと言う人は騙されている証拠。クリスチャンを欺くことはきわめて簡単である。

特にイスラエルに入れる込む人々は自分の預言解釈のフィルターを通してしか事象を見ることができず、ステレオタイプな反応をするが、陰謀があろうとなかろうと、神のご計画は着々と進展する。いずれにしろ、ケンディの暗殺などもに現れているとおり、「自由と平等の国」アメリカの暗部は深い。

http://www.kingdomfellowship.com/Column/flowing32.html

ある学生の物語

試験成績が学生に交付された。いつものことながら、7名ほどの学生が、試験を受けたのに「欠」扱いになっている、とクレームを入れてくる。私の記入漏れも一部あるが、たいていはマークシートの記入ミス。

そこで学生を研究室に呼び、20cmほどの厚みのシートの束から自分で自分の答案をピックアップさせる。そして本人のミスを厳しく指摘して、お情けでやってやるんだぞ、といった雰囲気を醸しながら、自己採点させる。これで落ちているヤツは丁重にお引取りいただき、受かっている者は一応訂正をする。

で、本日、質問表において「自分は出席もし、試験も絶対受けているのに欠になっているが、どういうことであるか、これについてキチンと説明をしてもらいたい。」とやけに突っかかる文面の者がいた。本人を招いてシートの束を見せると本人の顔が一瞬引きつった。

自分で探し出せと指示して見ていると、のたりのたりとシートをめくっている。おかしいなと感じたが、ピッチを上げさせて、10分ほどかかって全部を見て彼が一言、「先生、これだけっすか?」。私:「そうだけど、ないの?」。「ないっす」。「試験受けたんだろ?」と私が問い詰めると、「ええっと、俺、マークシートの試験なんて受けた記憶がない・・・」と消え入りそうにボソボソ。私は内心で、「ははあ〜ん。これで読めた。」

お分かりですね、彼の魂胆が。因縁つけて単位をせしめようと言うわけ。こういった強弁をする場合は何か自分のやましさの裏返し。これはブッシュも同じであるが、こういった場合は態度もおかしい。しかし自分のシートは絶対ないと分かっているのに、黙々とシートめくりをした(要するにヤバイよと思いつつも、逃げるに逃げられずもそもそと演技をしたわけ)彼の心境を推測して、内心おかしくて、腹も立ちませんでしたね。おかしさをグッとこらえて、彼の目を見つめつつ、「いいか?納得したか?」と言うと、「いいです・・・」とそそくさと去りました。

きょうび、この手の人種が増えているのです。ちなみにNEET(働かない若者)がついに52万人。さてさて、ニッポンの未来は明るいでしょうか、暗いでしょうか?みなさん、どのようにマークします?

テロの拡散

パラノイドによる精神病理は伝染性がある。誰が味方で誰が敵か、いつやられるか、やられる前にやろうかなどの疑心暗鬼。ある種の霊と共にこのような精神病理は拡散する。

あの911の後、アメリカのNYの有名な教会を見てきた姉妹が語っていた。「気持ちが悪かった。みんなでアメリカの国旗を掲げてぐるぐる回りながら、むせび泣いているのよ」と。自己憐憫の霊である。アメリカ人は個人レベルでは善良でナイーブであるが、集団力学になると質が変わる。

今回またジャカルタでテロが起きたが、今後もますます増える。おそらく日本もこのままではいかないだろう。すでに武力で気に食わない相手をねじ伏せる霊をブッシュは全世界に放ってしまった。今後もテロは拡散する。

健全な批判精神

Dr.ルークはいろいろな先生の悪口ばかり言っている、と一部で言われているそうです(ヤレヤレ)。あえて肥大した魂で自己弁護しますと(^^)、私は決して固有名詞は出していませんし、単なる中傷をしているのでもありません。彼らの真理に反する「教え」や「発言」あるいは「実行」を批判しているのです。

今日あまりにも偽りのパン種が多過ぎます。しかも神が立てた牧師先生に逆らうと裁きを受けるとばかりに、みな息を殺して沈黙。不思議なもので、人はつまらない本質的でない教えは一度で覚えますが、真理は何度語っても分からない人が多いのです。はい。一度分かったと言う人も、しばらく変なものに触れているとたちまちそれに侵されます。

パウロは言っています:「ああ、物わかりのわるいガラテヤ人よ」と。しかしこれは彼の愛なのです。愛の反対は批判ではなく、無関心です。

このサイトをご覧になる方々は皆さん目覚めてくださっていることを感じます。Q&Aのご質問の内容がかなり本質的になってポイントついているからです。私に「2004年に聖霊の原爆が落ちる」という預言は本当かと聞くならば、私は無視します(実際、アホ臭い)。しかし本質を突くご質問を受けることは大いなる喜びです。

今日偽りがあまりにも蔓延っています。よく目を覚まし、健全な批判精神を保ち続ける必要があります。ただし、これは人気のない道を歩むことになることは覚悟してください、ネ♪

ついにロシアも

テロ組織に対して先制攻撃を示唆→
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040908-00000012-yom-int

かつての二大超大国アメリカとソ連の軍拡競争は互いに相手に対する妄想的意識(パラノイド)の結果であった。精神病理に投影という自己防衛機制がある。自分の中に敵意とか憎悪がある場合、その真実を認めたくないために、相手がそれらを持っているとして、相手を恐れる病理である。つまり猿が鏡を見てその中の"猿"を恐れて攻撃するのと同じ。オウムなどのカルトではよく観察される。彼らもアメリカがサリンを撒いているとか、それに対する"正統な"攻撃としてあのサリン事件が起きた。パラノイドの本質にはこの投影がある。

かつてのアメリカもソ連も自分の内なる敵意を相手に映し合って、あの果てしない軍拡競争となった。今またそれと同一の病理があちこちで再現している。私は政治は分からないが、人の心は分かる。よって今後起きてくるであろうことも大体読める。すでに神の統治を壊したアメリカ、元から神を恐れないロシア、そしてイエスに敵対するイスラエル、沈黙の眠れる大国中国、そのハザマにかろうじて去勢されたわが国。この力学に北朝鮮やテロリストが茶々を入れると。

怖いのは前にも書いたバック・フィーバーである。パラノ的心理から些細なきっかけで抑制できない乱射が起こる。BBSにも書いたがすでに世界は心理・神経消耗戦のフェーズに入っている。今後、何が起きてもおかしくはない。

アメリカの行方

NHKの「クローズアップ現代」でジャーナリストのピート・ハミル氏が「アメリカ人は幻想を追っているのです。アルカイダとフセインが関係があり、フセインは大量破壊兵器を所持していたと思い込みつつ、自分たちは世界のために役に立っているんだと信じたがっているのです」とコメントしていた。まさにそのとおり。わたしが前から指摘している通り、バーチャル化の精神病理である。http://www.kingdomfellowship.com/Column/flowing52.html

その根底にあるのは自分のアイデンティティを守ること。それは本来、前に書いた大脳第二層の機能である。しかしアメリカの特殊性は、「アメリカ人」なるものは元々は無いという点。人口国家であり、カルトの教義よろしく、「自由と平等」を刷り込まれた人々の坩堝。彼らは大脳第二層というよりは第三層の思想の刷り込みによるアイデンティティを保つ。よってイスラムなどにも第三層的なアプローチしかできない。日本の場合は以前に書いたとおり、去勢が成功したわけ。(ちなみにTIME誌の今週号によるイスラム内部にも深刻な分裂が生まれつつあるようです。後ほど書きます。)

私はこれまで少々遠慮しつつ主張してきたが、今はっきりと言える:「その精神病理から見て、アメリカは自由と平等を刷り込まれたカルト国家である」と。

気持ち悪さの正体

BBSで書いた後、この世と教界でも働く同じ霊の正体について思い巡らしていた。何なのだろう、この違和感の正体は、と。Salt氏と同じかどうかは分からないが、私の結論は、フェイクを建て上げる霊である。そう、ドラマ「金八先生」を見た後のような違和感。

この世においては真実の在り処が分からないことは言わずもがなであるが、教界においては少々深刻である。フェイク、つまり「作り物」。

80年代、私が救われた頃は書店に並ぶ本にしても十字架をキチンと説いていた。

90年代になってから、一方ではやたらと悪霊追い出し、個人預言、油注ぎ、大リバイバル、霊能力者・・・、一方では「あるがままのあなたが高価で尊い」とか何でもかんでもカウンセリングにサイコセラピー。

2000年代に入ってからクリスチャンたちが何を求めているのか、明確な羅針盤を喪失し、次々に"新しい"教えの風に吹き回されているだけ。

一見すると対象的な両陣営において共通することは十字架がない。共にリバイバルを求めているが、それは数の問題だけ。実質がない。彼らは共に、自分で自分を救おうとしている。いや、うちの教会では「自我を砕きぃ〜」と説教されていますという方、それは十字架ではない。言っている本人が分かっていない証拠。欺かれてはならない。

イエスは言われた、「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、日々自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい。自分の魂のいのち(原語)を救おうと思う者は、それを失い、わたしのために自分の魂のいのち(原語)を失う者は、それを救うのです。」(ルカ9:22,23)。

魂の事柄と霊の事柄が混同されている。私が砂糖まぶしと言うのはここである。最初に来るものは地のものであり、肉のものであるが、次に来るものは天のものであり、霊のものである。最初のものは拒否される、すなわち死であり、後のもの、すなわち復活の領域のものが受け入れられる。これを切り裂くのが十字架である。

この十字架を経ないで、あなたは神のVIP、あるがままのあなたが高価で尊い、カウセリングにインナーヒーリング。お分かりになりますか、魂を一生懸命に救おうとしている人の業が。第一のものを守り、保とうとしている動機。世のものと何も変わらない。

この上にアレコレ建て上げ、デコレーションケーキのように表は派手にクリームを塗りたくっている。口に入れると甘いが、たちまち泡と化す。一方十字架のリアリティは御言葉のメスと御霊によってなされるが、御言葉は口には甘く、腹には苦い。この苦味を欠いているのが昨今の教界。

過ぎ越しの子羊をほふる時には、苦菜がそえられたことを忘れてはならない。素祭は種入れぬ上等の小麦粉にオリブオイルを混ぜて練り、焼き上げたのちも蜜だの砂糖は禁忌。むしろ塩をまぶしたことを忘れてはならない。同時に使われる乳香は復活の香りを放つ。

死と復活を経ていないものはすべてフェイクである。この世はもちろん十字架を嫌うが、教界にもパン種で膨らんだ外観にその実際はない。どちらにもアクセサリーの十字架はあるが。パン種のない小麦粉と塩気と苦菜と乳香。どれを欠いても生み出されるのはフェイク。リバイバルの実体は死と復活―十字架―である。

"正しさ"という狂気

ロシアのテロは前々から用意周到に準備されていたとのこと。8月11日に「私はオリンピックの厳戒態勢に気をとられているうちに、不意をつかれる形で、どこぞでまた大規模なテロが起こるような感じがしている」と書いたが、そのとおりなってしまった。

日経夕刊によると、ロシアのテロの惨事は、犯人と当局が交渉中に、武装した市民が発砲したことで犯人が爆弾を爆発させたようだ。愚かな正義感。

同時にイスラエル軍がガザ地区にミサイル攻撃で、自爆テロへの報復。14名が死亡。以前にも書いたが、足のなえた老人(ヤシン師)にミサイルを撃ち込んで殺す心理状態はまともではない。パラノイドの病理。

考えてください、東京の真中心にミサイルが打ち込まれる光景を。<自らの"正しさ"の主張→"正統な"正義感>。この思考パタンはロシアでもイスラエルでも同じ。"正しさ"という罠。善悪を知る木の実を食べた人類の宿命。人の正しさは神の愚かさである。

私は"正しい"神学とか聖書解釈にはあまり関心が無い。彼らの心に関心がある。すべては人の心が生み出すもの。病んだ心から生まれる"正しさ"は狂気を産む。聖書預言解釈の"正しさ"を誇る人々よ、いのちの道に戻ることをお忘れなく。

ここも修羅場・・・

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/sports/baseball_reorganization/?1094445678

プロ野球、選手会がストを決行した場合、プロ野球組織は賃金カットと損害賠償請求だそうだ。何とも、ドロドロ。野球はもうあきまへん。巨人がパに移って解決することでもないと思うが。どこか根本が狂っています、球界も・・・。

 * * *

ロシアのテロはまだ犠牲者が増えているようです。語るべき言葉が見つからなくなりつつあります。一説には犯人側の爆破は意図的ではなく偶発的なものとの情報があります。それがきっかけで乱射。

ハンターが獲物を前にしたときに極度の緊張から些細なきっかけでパニックに陥り、銃を乱射したりする現象を「バック・フィーバー」と言うが、おそらくこれだ。何にせよ、子供に銃を向ける神経はすでに異常。追い詰められた者は何でもする。

論争でも相手を徹底的に追い込むことは危険。落とし所を読んだ者が勝ちなのだが、アメリカもロシアもすでにそれを見失っている。政府側もテロリスト側もパラノイドを増幅して、些細なことでバック・フィーバーするだろう。WW1の開始のように小さな事件がトリガーとなる。

神のうめき

ロシアのテロでは幼い犠牲者が増えている。胸が痛む事件です。プーチンは対テロを強硬に進めるとのことで、ブッシュも応援すると勢いづいて来ました。イラクとチェチェンと―世界は統治の秩序を失っています。今回の事件も、今回だけで見たら判断を誤ります。旧ソ連やロシアがチェチェンになしたことを思い起こす必要があるでしょう。イラクも同じです。フセインを育てたのは誰でしたか?

かくして神の主権を踏み躙るブッシュが選挙戦で10ポイント、ケリーに差をつけたことのこと。アメリカ人好みの劇画的勧善懲悪路線に入っています。ブッシュの発言、@世界とアメリカは安全になった、A増加するテロには屈しない、おいおい、すでに自己撞着でしょうに。事実、彼はつい本音をもらして、「テロはなくならないかもしれないが、自分は最善を尽くす」と失言し、ケリーに叩かれた。

しかしそれは失言ではない。彼も実は知っているのである。前にチンパン顔のブッシュと揶揄したが、彼はオツムはそこそこあり、知っているのだ。もっと言えば、本当にテロが撲滅できると確信して戦争を仕掛けているのであれば、かえって怖い。それは狂気である。しかし彼は知っている、知っていながらやっている。これは立派な偽善であろう。彼の良心はどのような叫びを上げているのか。

そして彼らが、演技であっても、叫べば叫ぶほど、今回のテロのような幼い子供たちが犠牲となるのである。しかし加害者のテロリストもまた幼い自分の子供を失った者かもしれない。また自爆テロは夫を失った婦人によってなされている。何と悲しいことだろう。あまりにも悲しすぎる。

気分的にはジョン・レノンの『イマジン』の世界が恋しい。が、それはフェイクであり、むしろ人の罪の真実は今後ますます加速する。いかにもウソっぽい大リバイバルの偽預言者に踊らされているニッポンの教会よ、現実に目覚めよ。空回りの独り芝居はもう止めよ。今後、神のうめきをどれだけ共有できるか―伝道の鍵はここにある。

チェチェンテロの惨状に思う

ロシアのテロもすごい結果になりました。死者250人以上、負傷者700名。チェチェンについても人口100万、岩手県ほどの国でありながら独立を認めないのは石油資源が絡んでいるようです。
http://chechennews.org/

この種のテロ事件の背後にはイスラムが絡んでいるのですが、アメリカにしても聖書原理主義者にしても対イスラムの政策を間違えています。根底には信仰の覇権主義ではなく、アイデンティティの問題が絡むからです:
http://www.kingdomfellowship.com/Ministry/Ron/identity13.html

私たちの立場からこの種の話を論じますと次のようになります。人間の脳は(あれ、いきなりなぜ、と思った方、ちょっと付き合ってください)、脳幹、その上に辺縁系と基底核、さらにその上に大脳皮質の3層構造からなります。

脳幹は生命現象の基本を司り、辺縁系や基底核は性欲、食欲、運動中枢を、皮質は知能と行動を制御します。で、いわゆる知・情・意(聖書で言う魂)は感覚や情動を支配する辺縁系と、運動に関わる基底核の働きと同期します。この辺縁系には海馬や扁桃といった人の原初的情動や記憶と関わる機構があります。大雑把にいって、深い記憶は海馬と、扁桃は情動と、即坐核は意志と関係します。つまり心の実体(聖書的には心を支える機構)はこの辺縁系と基底核なのです。

しかし人間は大脳皮質が大きく発達して、いわゆる知性を肥大化しました。さて、言いたいことは、人の深いアイデンティティや愛情などの情動をコントロールするのは脳の第二層であり、いわゆる思想や主義を生み出すのは第三層なのです。表向きの正しさを押し付けられるとあえて反発したくなるのは、相手は大脳皮質に訴えているのですが、自分の辺縁系・基底核が情動的に拒否しているのです。逆に、同胞を守ったり報復するための自爆テロなどの場合、大脳皮質の論理性は抑圧され、辺縁系・基底核レベルでの反応が起きているわけです。人間は論理によって行動するのではなく、実はこの第二層の情動によることが多いのです。

お分かりでしょうか、アメリカ的聖書原理主義者などは聖書解釈の整合性や論理性に訴え、また自由と平等などを旗印に論理的に相手を自分の境界線の中に入れ込もうとしますが、相手は大脳皮質で反応してはいないのです。彼らは自分たちの民族的なアイデンティティや宗教、それは脳の第二層に焼きこまれていますが、を守るために反応します。

チェチェンの人々にしても彼らは元々のテロリストではありません。テロをしていますが、生まれは普通の市民なのです。しかし彼らの脳の第二層に焼きこまれた民族の誇りやアイデンティティを否定される時、止む無くテロと言う手段に訴えるしかなくなるのです。テロはもちろん許されません、が、彼らを追い詰める脳の第三層による西欧型思考行動パタンを省みる必要があるでしょう。民族の自立や誇りは大脳皮質にはないのです。聖書解釈を誇ったり、見せ掛けの正義の旗を振り回す人々は人間を知りません。ついには武力で制圧できるという幻想に落ちています。

人の心が理解できなくて、どうして人を治めることができましょう。この手のテロが起きるとすぐさま、「あくまでテロと徹底的に戦い、テロリストを駆逐する」と口を尖らせて叫ぶ猿的政治家が多いですが、これは幻想です。なぜなら元々テロリストなどはいないからです。彼らが自分でテロリストを生み出しているからです。

福音伝道の場面でも同じです。相手を折伏して、相手の第二層を否定するならば、けっして人は神の愛を知ることはできないでしょう。なぜならそのような伝道は第三層に訴えているだけだからです。心の働きを支える第二層に訴えることなしには人は心を開きません。この意味で聖書知識とキリスト教習俗・文化を強要するアメリカ型の宣教が不毛であったことはすでに歴史が証明しています。真理は普遍ですが、真理を入れる器に対する配慮が必要なのです。それは大脳の第二層に訴える伝道です。→
http://www.kingdomfellowship.com/Ministry/Ron/identity16.html

Urban Legends

昨日のブッシュのネタについては、いくつかサイトを当たってみましたが、確かにどうもジョークのようです。まあ選挙のネガティブキャンペーンとしては彼にぴったりのネタをよく考えたものと感心していますが、tomi先生のリンク先を含め、この種のサイト、これがけっこう面白い。"Urban Legends"、要するにもっともらしい噂話や伝説的な逸話の真偽を確認するサイトですが、そのネタが実に練れている。二つほど紹介しておきます:

http://www.snopes.com/
http://urbanlegends.about.com/

一方ひるがえってキリスト教界にもこの種の話がよくあります:

・現代の大預言者リック・ジョイナーの、天国に行ってパウロに会ってきた話

・アルゼンチン・リバイバルの立役者アナコンディアの、手の無い人のために祈ったらニョニョキと手が生えてきた話

・ラインハルト・ボンケの、死んだ牧師がよみがえった話

・携帯電話が通じない航空機の中から電話して「レッツロール」した911テロリストと果敢に戦ったクリスチャンの話

などなど。

上にあげたサイトでは、昨年の唐沢財前で好評だった『白い巨塔』のテーマ曲(理由がいまだ不明であるが)になった「アメージング・グレース」の作者ジョン・ニュートンに関わる逸話も検証されています。この手の逸話はどうも、この世ではえげつなくなる方向へと脚色され、教界では美談化あるいは神秘化する方向へ脚色される傾向があるようですね。

真実の行方―これからますます分からなくなりそうな予感です。
http://www.kingdomfellowship.com/Column/flowing32.html