* 旧Dr.Luke的日々のココロ *
午前はプールとサウナ。しばらくぶりで体がシャキっとする。午後は映画。『大奥』−時は七代将軍家継の御世。5歳の将軍を抱えた絢爛たる大奥における代理政権を巡っての権力闘争とオトナの純愛を絡めた作品。あの有名な絵島・生島事件がモチーフ。で、感想は・・・一言、女はコワイ(汗)。中でも池中玄太では健気な少女を演じた杉田かおるはリアルの彼女と重なって特にこわかった。貫禄醸した悪女の中で仲間由紀恵の純情さが際立っていた。でも彼女はゴクセンでも絵島でもまったく同じだなあ。女優版田村正和と言える。
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と、映画の世界ばかりでなく、リアルでも怖い話が・・・(→記事)
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で、もうひとつ。ある方から電話が・・・「ごめんなさい。ゆるしてください。でもゆるされることではないのですが、ゆるしてください・・・」。小生「何のことかなあ?分からないけど?」。「ごめんなさい。本当にすみません。」、小生「大丈夫だから、僕に何をしたわけかな?ゆるすから大丈夫だからね、安心してね・・・」。・・・どうもその方の頭の中で何か事件が起きたようです。やれやれ・・・。
午前はいつもどおりプールとサウナ。午後は映画―山田洋二監督、木村拓郎哉主演の『武士の一分』。
時は太平の世、田舎の30石扶持の下級武士にして毒見役の三村が日々の無意味なお勤めで人生の空転に飽き飽きしている。つまらない会話で時間をつぶしつつ、来る日も来る日も毒見を続けるが、ある日、不運にも赤粒貝が当たって失明する。最愛の妻が上司に身を売って30石を守るも、夫にばれる。彼は妻を離縁し復讐を誓う。実際は上司の口利きによらなかったことが分かると、果し合いを申し込む。かくして盲目侍が「武士の一分」のために命をかける。彼の師の言葉、「共に死するをもって真となす。必死、是即ち生きるなり」と。かくしてその太刀裁きは相手の腕を切り落とす。そして分かれたふたりは・・・。
と言うわけで、スジは単純であるが、小生的にはかなり好きなプロット。『葉隠れ』にいわく、「武士道とは死ぬことと見つけたり」に通じるものがある。今日閉塞したこの世と教界において、膨大なるエネルギーの空転が起きているが、まさに幕末の空気と同じ。木村拓哉が扮する下級侍が「武士の一分」に目覚め、命をかける時の変貌振りがなかなか。抑えた演技がけっこう光った。しかもその卑劣な上司にとどめを刺すことなくサラッと去るわけだが、実際この手合いにはとどめは不要。自ら滅する。
一見時代劇だが、現代をするどく描き出しているいぶし銀的に光る一作。サラッとカタルシスを味わいたい方にお薦めです。
午前はいつもどおりプールとサウナ。最近はサウナで過ごす方が長くなっているか・・・。午後は映画。
クリント・イーストウッドの『硫黄島からの手紙』。前の『父親たちの星条旗』との二部作。前作では硫黄島は単なる政治ショーのネタに過ぎなかったわけだが、今回は絶望的なサバイバルの舞台。
同じ戦争物を日本人の俳優を使って撮るにしても、やはり何かが違う。ライフルや爆弾の音からして、本当に怖いのだ。これは韓国の『ブラザーフッド』もそうだったが、現場を知っている人が作るからだろうか。日本のはドンパチと『ウルトラマン』に毛が生えたモノと言うか、『西部警察』のノリになってしまう。今話題の中村獅童も出ていたが、昨年の戦艦大和とは違う不恰好な役回りだったが、かえって現実感を醸していた。それにしても謙さんはハリウッド俳優として貫禄が増したが、ジャニーズの二宮和也がイイ役を演じていたのには感心した。私ももし硫黄島に送られたら、どんなに無様を晒しても生き残ることを考えるだろう。
ほとんど白黒に近い画面からリアリティの重さがやけに迫ってきて、現場の火薬や血や汗の臭いまで分かるような映像で、かなり疲れた。そして何と言う虚無感。栗林中将はアメリカ生活も経験し、ヒューマニストかつ民主的にして、兵士と同じ食事を取るも、公私の区別がつく合理主義者の側面を持っていたと、『文藝春秋』今月号にあった。玉砕を禁じ、1日でも硫黄島を守ることに徹し、5日で終わると予想していた戦いが1ヶ月以上に及んだ。2万名以上の日本兵は最後に千人ほどになっていたと言う。それにしても虚しい。最後まで戦い抜いて自決する兵士たちの最後の叫びが「天皇陛下万歳!」なのだが、本音はやはり家族にあったわけだ。かくして栗林中将が絶望の淵で家族に書き送った手紙は8ヶ月間で41通だった(『文藝春秋』記事による)。
イーストウッドはかつて『ローハイド』だったか、単なる二枚目俳優、そのうち『ダーティーハリー』で汚れ役を演じて、『マジソン郡の橋』でメルリ・ストリープとオトナの恋愛を・・・と言う具合に、歳を経るに連れて円熟と言うか、渋みと言うか、顔のシワにも味が出て来ている。例によってスピルバーグも『プライベート・ライアン』式に隠し味として控えているわけだが、やっぱり映画はハリウッドにはかなわないことを再確認した。これもやや虚しいが。
→温泉までT-19Days
午前中はプールとサウナ。午後は映画。あちこちにデコレーションが見えるようになったが、私自身はクリスマスにはあえては関わらないが、風俗として年末を感じる。しかし時間が経つのは早い。またひとつ歳を取るのだ・・・。
映画は『エンロン』―全米第7位、売上高13兆円のメガ・カンパニー・エンロンのたった2ヶ月での崩壊過程を描いたドキュメンタリー。
牧師の息子ケン・レイが興した企業が15年間でこの規模に成長するも、その裏はフェイク(偽り)で塗り固められていた。粉飾決算はもちろんのこと、規制緩和の波に乗って、人の道を外れ倫理を無視した商法。電力の買占めなどにより巨大な利益を生む。彼らのモットーは「弱い者は滅びよ、強い者が生き残る」の論理で、すべてのしわ寄せは庶民に回された。で、やはり陰でブッシュ・ファミリーが関わっているのだが・・・。
映画中、ニンゲンはいかに邪悪になり得るかを証明した有名な心理学実験が紹介されていた。人は責任が自分にないと知ると、当初は良心の呵責を覚えつつも、一度悪に手を染めると後はいかほどにもエスカレートし得るのだ(一度許せば、二度三度)。こうして良心に焼き印を押される(1テモテ4:2)。まさにエンロンはこの実験の実証例であったわけで、日本では愚かにもホリエモンや村上らが真似をして墓穴を掘っている。ネットもまさに絶好の道具。
かくしてエンロンはタイタニックのごとくに沈むわけだが、救命ボートに乗れた者は金持ちばかりだったように、その最中でも情報を持つ上の人間は社員に自社株の購入を勧めつつ自分は自社株を売り抜け、何も知らされていない下の者はババを引かされた。
しかしながら神の公義はかならず成就されるもので、牧師の息子で元会長のケン・レイは今年の5月に有罪判決を受け、7月に心臓発作で死亡。CEOのジェフ・スキリングは5月に24年の禁固刑+53億円の罰金判決を受けた。この企業倒産で3万人が解雇、不正に加担した会計ファームが解散で2万9千人が解雇。巨額の年金原資が失われた。
この企業、何とスキリングが、以前に紹介したミームの提唱者ドーキンスの『利己的な遺伝子』を誤解釈して、それを経営に適用していたのだ。まさに偽りのミーム(教えの風)に吹き回されたわけだが、偽りを信じ込んだツケはあまりにも大きい。しかしエンロンのキャッチフレーズが"Ask Why"(なぜ、と問いかけよ)と言うのも皮肉ではある。
主は「あなたがたは何をどう聞くかによくよく注意せよ・・・人はまいた物を刈り取る」と言われた。牧師の息子ケンちゃんはこの御言葉を知らなかったのだろうか?中途半端に聖書と関わるくらいならば、かえって何も知らない方が幸いなのだ。
→温泉までT-26Days
午前中はサウナとプール。午後は食事して映画―『アンノウン』。
密室に閉じ込められた5人の男たち。ガスを吸って記憶喪失状態。ある事件の被害者と加害者であるが、どっちがどっちか分からない。自分が被害者なのか加害者なのかも分からず、疑心暗鬼の中でも協力しつつ脱出を試みる。途切れた記憶が点々と想い出されるうちに、犯人の一味が帰ってくる。・・・で、主人公は何と加害者側、と思いきや、実は潜入捜査をしていた刑事だった。ところが真実はそこで終わらない。最後に大きなどんでん返しが・・・。と言う、サイコ・サスペンス。
人間が自分と相手の存在を見失った時に陥る心理描写がよくできており、なかなか緊迫感を楽しめた。しかしよくこういったプロットを考えるものと感心する。
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それにしても山谷さんはいぜんとして叩かれていますね。それに何故か「私」までも登場している!?どこのどなたか知らない方が、さかんにこのBlogをコピペして、やけに「私」に絡んでおられますが・・・汗。しかしイロイロな方がここ見ているのですね(驚)。まさにネットは「アンノウン」の世界。『クリスチャン・トゥデイ』関係者もいるようですが、彼らは果たして山谷さんを告訴し(注)、山谷さんは逮捕されるのでしょうか?『アンノウン』に勝るとも劣らないサイコ・サスペンスです^^(しかし1日中すごいエネルギーだ)
(注)「告訴」とは刑事用語。民事であれば「提訴」。『クリスチャン・トゥデイ』はサイバー・テロリストの山谷さんを告訴するようです。つまり刑事事件とするわけですね^^
久々の映画鑑賞。『父親たちの星条旗』。クリント・イーストウッド監督作品。硫黄島上陸作戦のシンボルとなった一枚の写真の真実をめぐって翻弄された3人の帰還兵の運命を描く。
この有名な写真は太平洋戦争の帰趨を決定したが、それには隠された真実があった。が、政府とマスコミはこの旗を立てたとされる3人を利用して、戦争国債を消化しようとヤラセのヒーローショーを展開する。3人のうちのひとりはそれに乗り、自らの出世を画策する。ひとりは偽りに乗せられることに良心を病み、アルコールに溺れ、悲惨な最期を迎える。そしてひとりは淡々と人生を送るも、真実を一切語ることはなかった。
イラク戦においても女性兵士をめぐってヤラセ・ヒーロー物語を米国がでっち上げたことは有名だが、その体質はこの旗にも生きている。メディアもヒーロー話を好むものであり、美談や英雄譚をでっち上げていく。そのような時代の風向きに逆らって主人公に言わせる:「英雄などは世が必要とするから作り上げるもの。英雄などは要らない」と。けだし名言。
ちょうど朝にクリスチャンメディアのあり方に触れたが、彼らも金粉が舞ったとか、何それの預言が語られたとか、かまびすしい限りであるが、私に言わせれば、「油注ぎの器などは教界が必要とするから作り上げるもの。油注ぎの器などは要らない」となるだろう。普通のおじさん・おばさんとして、小さな真実の中に生きること。これこそが神の目にあってのヒーローなのだ。繰り返すが、「人が尊ぶものを神は忌み嫌う」。
ややトム・ハンクス主演の『プライベート・ライアン』と作りが似ているが、大人の鑑賞に堪える作品であり、12月に日本側視点から描かれた『硫黄島からの手紙』が公開される。楽しみだ。
『太陽』−人間昭和天皇ヒロヒトの苦悩と孤独を描くロシア映画。日本では公開不可能だろうと言われていたらしい作品。小生の印象:昭和天皇の魅力は山下清と同じだ!
先帝は現人神に祭り上げられつつも、戦争を終結することはできず、本人はそのことに窮屈感と苦悩を覚え、東京大空襲の悪夢にうなされている。息子に手紙を書き、皇国は高ぶり自らの実力を知らず戦争をしてしまったと告げる。
そしてついにマッカーサーの前に立つ時が来る。天皇はすべての屈辱を飲み込み、自身を連合国の裁きに委ねることを告げる。マッカーサーも当初は「あなたは何百万人も殺した独裁者だ」と天皇を挑発したり、揶揄したりするが、当の天皇はそれらに対しては無邪気をもって応える。
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ユナイテド93。ご存じ9.11テロにおいて乗客たちの抵抗により唯一ターゲットを外れた機。その機内で何が起きていたのか、ドキュメントタッチで描く。
感想は、一言、かなりコワイ。カメラワークのせいか臨場感が強い。テロリストも相当にガチガチになっており、よって行動が過敏で短絡的。乗客は勿論。そこでお互いにビビりながらの応酬だから収集がつかない。かくして後一歩のところで操縦桿を奪取できず、機のコントロールを失って地面に激突する。有名になった台詞「レッツロール」はなかった。
驚くことは米軍と管制室と連絡経路がなく、スクランブルした戦闘機も何もできなかったこと。指令系統が混乱している上に、大統領命令が実行されなかった!?米国領内の空の盲点をさらけ出してしまった。
またひとつ疑問だったのは、機内から携帯が使えるかという点だが、これはハイジャッカーが相当に低空まで高度を落としていたようだ。
皮肉に見える場面は、乗客たちは主イエスの父なる神に祈りを捧げ、同時に犯人たちはアッラーに祈りを捧げるている場面。これを見る未信者は、だから一神教は狂気に走るのだ、と思うことだろう。私でもベニー・ヒンを見るとそう感じるくらいだから。
暑気払いにイイと軽く評したいが、実話であるだけに、その犠牲者を思うとやや複雑な感情が残る作品である。
午前中はプールとサウナ。午後はまたまた食事と映画。日ごろのダイエットで餓えているため、シャブシャブの食べ放題で満足感を味わう。
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『不撓不屈』−TKC全国会の創設者にして税理士・会計士の飯塚毅氏の実話。権力はないが懸命に慎ましく生きる庶民の零細中小企業の味方として、節税策を講じていた主人公が、国税当局から脱税容疑で告発され、部下4名が逮捕される。世間から冷たい視線を浴びて、顧客も次々に離れる中で、自分は正しいことをしているとの信念に基づいて、国家権力と7年に渡り戦う。事件の背後にエリート役人の私怨があることが分かり、国税局長官の不正を社会党が暴き、全面勝利に終わる。孤立する彼を支えたのは家族の献身的な愛であった・・・と。
う〜ん、やや感傷に流れて作りが粗雑だ。国会追求の駆け引きなど、もっとドキュメンタリータッチが欲しかった。例えば、彼が指南した「別段賞与」。ちょっと調べたが「従業員の賞与を未払金のまま損金に計上して会社が従業員から借入れる形をとり、運転資金として運用し資金事情の良い時期において、社員たちへ支給を実施するという方法」とあった。仕分けはどうなるのか考えてみた:
・計上時 ・清算時
借方 貸方 借方 貸方
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午前中はプールとサウナ。最近はサウナで汗を流しつつ、泳ぐと言うよりは水と溶け合うのが実にイイ気持ち。午後は映画。
『インサイド・マン』−デンゼル・ワシントン、ジョディ・フォスター、ウイレム・デフォーなど演技派俳優を一堂に会したテンポのいいアダルトな映画。銀行強盗に入った一味が、ワシントン扮するNYPDの交渉人と知的な駆け引きを演じる。その緊迫したやり取りがかなり面白い。この銀行の頭取の秘密を巡っての裏取引があって、最後のトリックによるどんでん返しが・・・。というわけで、後は実際にご覧下さい。
デンゼル・ワシントンは、偏執質傾向を持つジーン・ハックマン演じる艦長との潜水艦という閉鎖空間での葛藤と対立を描いた『クリムゾン・タイド』以来カナリ好きな俳優。ジョディ・フォスターは最近の『フライトプラン』などサスペンス物がはまっている。デフォーは、『プラトーン』で観て以来かなり好きだ。彼もやはり偏執性を持つキャラクターがピッタリ。『スピード2』(これはやや駄作)での客を道連れにする末期がん患者がこわかった。
いやあ、映画ってほんとにいいものですね^^
かつてのジーン・ハックマンの出世作『ポセイドン・アドヴェンチャー』のリメイク版『ポセイドン』。ウォルフガング・ピータセン監督。主演カート・ラッセル。
映像ははるかに進歩するも、思想性はあまりない。前作では牧師が最後に「神は何人殺したら気が済むのだあ」と叫んで自己犠牲的に死ぬわけですが、今回は十字架のペンダントが危機一髪の脱出を可能とするとか、娘とその恋人のために父親であるカート・ラッセル(『エグゼクティヴ・デシジョン』の頃からすると老けたなぁ)が自己犠牲によって救いの道を開く。このプロットはブルース・ウィルスの『アルマゲドン』と同じ。
内容的には薄いが、水に限界まで潜る場面が多く、こちらもつい息をつめて観ており、相当に苦しい映画であった(ふぅ〜)。
午前中はプールとサウナ。午後はやや疲れていたようで、爆睡。夜はMM21で食事と映画。食事はフォー!と言ってもHGではない。ベトナム料理のフォー。麺であるが、味が淡白で、話の種だな。映画は評するまでもなく駄作。
(やや手ぶれが・・・)
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原油価格がついに75ドル。これはかつての石油ショック時の倍以上。G7は産油国に増産投資を要請したようだが、日本経済にもジワジワとボディブローのように効いてくるだろう。
ご存知ウイリアム・ワイラー監督、チャールトン・ヘストン主演のアカデミー賞大作。値段は7000円ちょっと。やや高いと思っていたら、DVDが4枚。何と『ベン・ハー』にはいろいろなヴァージョンがあるのです!2枚はワイラー・ヴァージョンですが、1枚は何と1925年のサイレント・ムーヴィ。監督や俳優はまったく知らない名前でした。残りの1枚は特典映像。
で、これが面白い。チャップリンの映画みたいに動きがチョコマカしており、時々に台詞の字幕に切り替わるわけ。多分弁士がしゃべっていたのでしょう。ところが台詞がない場面でも、何となく台詞が聞こえてくるような感じが面白い。それでも例の戦車レースの場面は迫力があり、よくできています。画像は白黒と思いきや、青だったり、赤ぽかったり、時にフルカラーになったりでこれも面白い。ワイラー・ヴァージョンもデジタル処理されており、映像がvividで美しい。
私は『パッション』はついに観なかった。その露骨さが嫌なんですね。自己憐憫を煽るような感じがするわけ。主の苦難はどんなに血が飛び散る場面を描いても、決して私たちには分からないのです。対して『ベン・ハー』では、彼の人生の背後に摂理的にタッチするキリストを描いており、私たちの人生と重なります。旧約聖書ではルツ記やエステル記。神はご自分を隠される方であり、派手な聖霊派的パフォーマンスを好む方ではない。聖書自体も感情表現を排して淡々と神を記述する。
私たちも人生のあらゆる場面で、この隠れた、そして私たちのすべてに配慮して下さる方のタッチを感じることができれば幸いなのだ。今、高3になる長男がはまりつつあり、これも摂理と感じている。
お薦めです。
中国語映画『スピリット』。強さだけを己のすべてとした主人公フォが、その強さに溺れて高ぶり、敵を殺してしまう。しかしその敵にも子供がおり、家族がいた。彼はその報復として自分の母親と一人娘を殺される。さらなる復讐をするも、自暴自棄になった彼は乞食同然に放浪する。ある日山奥の貧農の老婆と盲目の娘に助けられる。日々農作業に明け暮れ、自然と触れる中で癒されていく。
数年後、故郷に戻った彼を待っていたものは、西洋化された町並みと人々の有様。母と娘を殺した相手の家族と和解を果たす。時に、西洋の闘士が中国人を小ばかにしていた。中国の名誉をかけて戦い勝利する。そしてついに最後の戦いに臨むが、対戦相手は日本人。日本人政治家の陰謀によってフォは毒を盛られる。しかし彼は最後まで戦い、倒れる。対戦相手の日本人(田中と言う名前がちょっと軽い)の急所を突くも、寸止めであった。田中は倒れたフォを勝者と宣言する・・・。実話に基づく映画。ジェット・リー&中村獅童主演。
と言うストーリーですが、なかなか良かった。私的には好きなモチーフですね。主人公フォの父親は敵を徹底的に打ちのめすことはせず、また息子が武道家になることを望まなかったわけですが、彼も大きな代償を払ってその意味を知るわけです。報復は更なる報復を生むだけ、赦しが必要だと。
さらに彼は西洋文明によって嘲られる中国に対して、侮辱されることはかまわないが、自らが病んでいることに気がつかないことが本質的な問題だ、と指摘する。そして真の敵は自己であり、敵は外にあるのではないと。まことの武は自分との対峙である、と。イイですね、この台詞。
最近では数学者の藤原正彦氏がその著『国家の品格』において、欧米的な自由競争や市場原理主義が日本のスピリットを壊しているとして、武士道的価値観から批判しているわけですが、今のニッポンが置かれている状況にもフィットする映画でした。お薦めです。