No.1482の記事

伊香保温泉

アップロードファイル 2,250KBこの地は徳富蘆花が晩年静養し、最期を送った地です。伊香保は小さな町でクネクネとした坂道ばかりで、車の運転に難儀したが、味わいがあった。彼は愛と悲劇の『不如帰』で有名ですが、彼の資料館を見たところ、彼も"キリスト者"なんですね。愛用の聖書も展示されていました。内村鑑三とも交流があったようですが、若い頃に棄教しています。奥様はずっと信仰を守っていたようです。

明治の文豪は少なからず聖書に触れているのですが、「頭(おつむ)の信仰」だったようで、いのちを見出した人は少ないようです。何だか典型的ニッポンキリスト教のルーツを見るようです。

で、20日の私たちの宿は、彼が心臓を患い、静養した旅館千明仁泉亭。由緒ある宿で、群馬の国体の際、皇太子夫妻も宿泊された処。風呂はお湯が赤茶けており、プール並みに深く、泳げるほど。露天風呂は遠くに雪を冠した山並みを望みつつ、ややぬるめでゆっくり浸かれた。食事は伊豆と違って刺身などは少なく、山の物が中心で、けっこう旨かった。

(写真は蘆花の臨終のベッドと愛用のコート)