* 旧Dr.Luke的日々のココロ *
今日の精神保健学の講義で、情動と大脳の関係について触れた。最近のいわゆるキレ易い若者が辺縁系下部にある扁桃体に問題があり、さらに感情を制御する前頭前野の抑制力が落ちていることを説明した。そう話している間に、学生たちはいつもながらあっちでペチャペチャ、こっちでクチャクチャの状態・・・溜息。
で、帰宅の車の中でNHK『クローズアップ現代』を観ていると、なんとまったく同じテーマの話ではないか!大脳の血流を観察することにより、制御の中枢が前頭前野49野にあることを報告していた。
実は聖書で言う魂(Soul)は、知性・感情・意志からなるが、その大脳の対応部位はそれぞれほぼ、海馬・扁桃・前頭葉である。海馬は記憶を、扁桃を含む辺縁系は情動を、前頭葉は意志や意欲と関係する。そして扁桃で生じた感情は前頭葉の制御を受けるわけだが、最近の若者(ばかりでもないが・・・)はその制御が弱いのだ。
この扁桃と前頭葉をバランスよく成長させるためには、人間関係がポイントであると報告していた。子供時代にいわゆる「じゃれる」こと。互いの肌感覚を味わう必要があるわけ。将棋などもPCとしていると前頭葉は機能しないが、対人的に行うと活発化する。かくしてゲームなどにのめりこむ時、人の前頭葉は機能低下を起こす。これがいわゆる「脳内汚染」であり、昨今の猟奇的事件のルーツである。
要するに人間は肌で自然や人の温もりを味わう必要がある。このタッチがないと大脳は前に述べた仮想化を起こし、人間性を育むことができない。実は信仰も同じこと。神学書に埋没しつつ論争に明け暮れ、互いに虚勢を張り合い、虚しいいわゆる儀式や奉仕にのめりこむ時、大脳も偏向した成長をする。かくして神学オタク、霊能者オタク、リバイバル・オタクが誕生する。彼らは生身の肌感覚で人と触れることができない。それを煽るのがネットである。
私は結婚生活や子育ての経験のない御リッパな「結婚評論家」や「カウセンセラー」のお話などはまったく信用していない。経験がない者にどうして分かるだろうか?しかし現実にはこういった「専門家」が多いのだ。彼らの大脳のMRIを診ればおそらく相当に偏った機能をしているはず。
私たちにとってもっとも大切なのは、人間生活を淡々と、当たり前を当たり前に、普通のおじさん・おばさんとして生きること。信仰と私たちの「生」は分離し得ないのだ。現在これらが切り離された生の「生」を知らない、仮想的信仰に生きる「クリスチャン」があまりにも多い。これがニッポンキリスト教の病理のルーツである。すでにこの業界自体がヴァーチャルな世界なのだ。
(影の声:私はニッポンキリスト教の牧師や信徒の大規模な心理テストとMRIによる大脳の検査をしてみたいと内心感じている。相当にヤバイ結果が出るような気がするが・・・特にセンセイたちが・・・汗)