No.1971の記事

切ないことです

酒酔いの暴走車に追突されて海に転落。3人の子供を失ったご夫婦の様子に違和感を覚えた人も多いと思う。奥さんが「子供たちは写真の中に入っただけで、前と何も変わっていない・・・」と、笑顔でいる姿。そう、彼女にとってはまだ子供は生きているのだ。

おそらく彼女の中では否定(事実を認めない)と分離(感情を切り離す)が行われているのだろう。こういった被害者がよく口にする言葉は「実感が湧かない」というもの。心が壊れてしまうような感情が湧きあがる場面ではこの感情を置き去りにする。そしてこの置き去りにされた感情が深いほど、心の癒しには時間がかかる。

今後、このご夫婦がその事実に直面し、その感情を折々に経験しつつ、その事実を自我の一部として統合し得るときに真の癒しとなるが、それまでの道のりを思うと気が遠くなる感じを覚える。一方の加害者も普段は悪い人ではないのだろうが、こうなると極悪人扱いされ、彼の両親もこの事実を生涯負わなくてはならない。こちらも厳しい。むしろ彼の両親が自殺などの形にならないように配慮する必要があろう。

酒と車・・・。そしてそのタイミング。何とも言葉がない。