No.696の記事

5年の月日

親父が亡くなってから5年ぶりに家内と田舎に帰ってきた。表向きの理由はお袋が気管支炎をこじらせたため。なぜ5年も空いたのか−信仰上の対立もあったが、私的には親父のいない実家に帰ることが実はこわかったのだ。"そのこと"を認めなくてはならないから。あの時から私の時間が実は止まっていたことに気がついた。

今回時間が十分に経ったためか、"そのこと"を直視することができた。ようやく親父の死を受け入れることができたのかもしれない。お袋も外見上はあまり変化がなく、ホッとした。

『バカの壁』の養老猛司氏が若くして父親を亡くし、そのときは何も感じなかったのに、はるか40歳を過ぎてから、電車の中で突如涙がこぼれ出し、号泣してしまい、それでようやく父親の死を受け入れることができたと証言しているが、私もやはり5年の月日が必要だったようだ。

隣近所の人々のあり様の大きく変わっていた。亡くなった人も多く、刑務所に入った人など、5年の月日は人の人生を大きく変えるに十分な時間だった・・・。そして私にはまだ福音に猛烈に抵抗する弟との和解という大きな仕事が残っている。

Commented by kawa 2005年03月13日(日)06:58

滅多に遊びに来ない弟に「天国で逢えるのでなければ生きる意味は無い」と論争し喧嘩別れしてしまった。お互いに兄弟の縁を切ったつもりの喧嘩だったが、半年後、宗教に無関心な弟は一人そっとキリスト信仰を持った。