2005年01月12日

日本が生き残る道

前に掲示板でチャーチスクールの話が出て、一時荒れたことがあった。私はこう書いた:「日本が生き残るためには20%のエリートを養成し、功績を挙げた者を徹底的に優遇せよ」と。これは今も変わりない私の価値観である。

<自由・平等・博愛>が実はトリックであることは前にも書いたが、ニッポンは見事にこれにひっかかり、悪平等が蔓延っている。機会は平等であるべきだが、結果は不平等である。籠に乗る人・担ぐ人・そのまた草鞋を作る人。主も言われる:「持っている者はますます豊かに、持っていない者は持っている物も取り上げられる」と。

今後は「中」が抜ける社会となる。「一億総中流」はすでに終わっている。上・下を分ける鍵はモチベーション。社会主義はこれを教条や統制で行うために、北朝鮮のようになる。ただ、結果において徹底的な格差を儲けることによってのみ、高いモチベーションが維持される。

発明の対価

青色ダイオードの発明で有名なカリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村教授が、裁判所から提示された和解額8億円に対して怒り心頭の記者会見をした。何でも弁護士も和解しかないと言ったとこのこと(この舛永弁護士は実は私たちもお世話になったことがある。)

中村先生は「日本の司法は腐っている。やる気のある者はアメリカだ!」と檄を飛ばしていた。野球もメジャー、エンジニアもメジャーと。日本には大した者が残らないというわけだ。実は日本はこれまでは社会主義なのである(キリスト教界はその中のまた社会主義社会)。

バブルの頃、金融系は花形産業で、東大の工学部を出たヤツの2割がそっちに行った時代もあった(今頃どうしてる?)。一方製造業は3K(キタナイ、キツイ、キケン)と言われ、年収でも倍の格差が着いた。金融系はただ金を左か右に動かすだけでゲインを得る。新しい価値を何も生み出してはいない。

で、理系の私としては何ともやる気を失ったことがある。メジャーに行く能力はとてもないので、前に書いたとおり、やや「水商売」に関わったわけ。

中村教授の訴えは正論であり、ボールをバットで打つだけの人が年間何億取るのに比して、新しい価値を生み出す人が恵まれないとなると、日本の製造業の将来は暗い。夢がないからだ。メジャーへの流出を食い止める必要があるのは、野球ではなく、むしろ学問と技術の世界だ。

(しかし、ノーベル賞の田中さんの淡白さと、中村教授の脂ぎった様のコントラストは実に面白い。)