2005年05月14日

映画評(続き)-真の勇気-

主人公はイスラムのサラディンとの戦いでエルサレムを放棄するわけだが、その理由はただひとつ:民衆のいのちを守るため。これを条件に降伏するわけ。指導者が何をその決断のプライオリティーにするか、メンツを保つためにエルサレムを死守するのか・・・。

「華氏911」は少々ノーブルさに欠けていたが、Kingdom of Heavenは14万の一般民衆をイスラエルの利益と「自由と正義」の名の下に殺したブッシュに対する高貴なメッセージがあるように思えたが、私の読み過ぎか・・・。

"The Kingdom without conscience is nothing."という台詞も中々よかった。

映画評"Kingom of Heaven"

予備校での仕事の後、車修理にディーラーに行き、取って返して家内と次女といっしょに表題のレイトショーを観てきました。疲れているとは言え、映画はひとつの活力源です。

十字軍とイスラムの聖地エルサレムを巡ってのむなしい戦いを描くと同時に、主人公に「神の国は心の中にあるのだ。決して敗北することのないキングダムが・・・」と言わせるリドリー・スコットは信仰を持っているのだろうか?

世界の重石エルサレム。地上天国は統一協会も実現させようとしているが、クリスチャンも同じ過ちを犯しそう。このBBSのベニーヒン批判を見て反撃メールを送られた某クリスチャン団体の長の方がおられるとか?このサイトがそんな影響力があるとは思えませんが、驚きました。

現代の預言者集団による"宗教改革"やブッシュによる"十字軍"的イラク侵攻において、「フセインよ、神がお前を裁く!!!」と叫んだ福音派の牧師たち。ちょっと何かが狂い始めている感じがして、kamekameさんの言われるとおり、ちょっとというか、かなりコワイですね。普通が普通でなくなって、病識を失うことは重症の証拠。

ああ、気の小さい私は益々山に引き篭もりたくなってきました・・・。ちなみに映画の最後で、故郷に帰った主人公がエルサレムを守った英雄扱いされる場面で、「私は単なる鍛冶屋だ」と言う部分、いいですね。普通の人であることは幸いです。