2004年11月15日

深まるイラクの混乱

ファルージャを米軍が制圧したそうだが、プロテロリストは脱出し、むしろテロリストが拡散した。ラマダンの最中にモスクなどにも攻撃を仕掛ける米軍の神経は、一般のイスラムの民も傷つけている。スンニ派もシーア派も選挙参加をボイコットするようだ。どう考えても正常な選挙が行われるわけがない。

前から述べているように、米国の正義と自由、そして民主主義は病的である。自分自身が偽りを隠し持っている証拠であり、これを強迫反復ということは前に述べたが、まさに国家的強迫神経症。

そして一番の問題は自称ボーンアゲイン・クリスチャンのブッシュが自分の正義を神の正義として、自分の意志を行使している点。もし彼が自分の意志だけで起こしたことを語るのであれば、私はあえて異議を唱えないが、神の正義を旗印にしている点が最も深刻な問題である。見かけは泥沼化で同じように見えるベトナムとの本質的違いはここにある。

拉致問題に思う

今回の北朝鮮との協議で、めぐみさんの"遺骨"が持ち帰られたそうだ。もちろん鑑定が必要になるが、横田さん夫妻の気持ちを思うときに、言葉を失う。この骨は一度埋葬して後、焼いたそうだから、果たしてDNA鑑定が可能かどうか、かなり問題だ。

人の人生に対して他者の意志が否定的に介入する時、その人の人生はかき回される。ごく普通の人が時の人となり、公に晒されるようになる。

横田早紀江さんはクリスチャンだそうだが、画面を通しても心の中でグッとこらえて、気丈にも自分を自分で懸命に支えている様子が見て取れる。滋氏はあまり信仰事は好きではないらしい。

いずれにしろ彼らにとってはめぐみさんの奪還が人生のすべてとなっているわけで、今回の遺骨の鑑定結果によって、人生のすべてを失うことになりかねない。事実はイエスかノーかしかないわけで、いずれの答えも彼らにとっては厳しい現実との対峙を意味する。

このような時には主の御旨はどこにあるのだろうか・・・と、ふと思う。