2004年09月03日

2人のアメリカ人

ジェンキンスさんは座間キャンプに出頭し、良心のけじめをつけるとのこと。彼はなぜ北朝鮮に亡命したのか。巷間言われているとおり、ベトナム派兵から逃れたのであろうか。いずれにしろ、自分の良心に従うこと、彼は神の目に憐れみを得るだろう。今後の手続きが順調に進むことを願う。

対して、ブッシュは相変わらずの強気。徹底的に対テロ戦で勝利するの一点張り。TIME誌の今週号でもインタビューに対して強気で答えているが、何か虚勢を張っている感も否めない。まあ、止むを得まい、見込み発車してしまったからだ―偽りの線路上を。さて、彼の終着駅は?

彼は自分の心の真実を見ないように、自分の良心を偽っている。良心の喪失により、信仰の破船に至るであろう。行く所まで行くのだろう。自由と正義をあえて叫ばざるを得ないアメリカの病理―インディアンを虐殺してからの偽りの繰り返し。これを強迫反復と言う。→http://www.kingdomfellowship.com/Column/flowing53.html

それにしても面白いニュースがあった。彼の国語力の欠如。中絶手術(これには見かけ上彼は正しい判断を示しているが)に関して演説した時のこと。胎児(fetus)と糞・下り物(feces)を見事に間違って使い、聴衆は意味不明だったとのこと。→http://www.path.ne.jp/~robcorp/bbs/wwwboard.cgi

フロイト的には言い間違えとか物忘れには深層心理の病理があるが、彼は単に国語力が欠如していたのか、フロイトの指摘する病理によるのか。もしかすると彼にとっては貧しい若者やイラク人を虐殺する良心の呵責を中絶手術への反対によって宥めようとしているとうがった見方もできる。しかし本音はこの単語の誤用に現れた。

中絶にカゲキに反対しつつ、戦争に突き進むという解離性。敵意や憎悪を抱えている人は、しばしば表向き紳士にして謙遜を装ったり、ボランティアや福祉現場で献身的に働くことはよくある。愛を訴えたり、平和を叫ぶ人がしばしばもっとも愛に欠如し、攻撃的な深層心理を抱えるもの。福祉施設ではよく陰湿な虐待がある理由である。

二人のアメリカ人。ひとりはアメリカを捨て、その権力によって子羊のように裁かれ、ひとりはアメリカを誇り、その権力によって武力を持って主権国家を裁く。共に神と良心を偽ることはできない。彼らを究極的に裁くのは神と自らの良心。その真実はいずれ明らかになるだろう。

注:ブッシュの言い間違いは選挙のネガティヴ・キャンペーンのネタだそうです。(04/\)